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フランス南部の都市、モンペリエでは、公共交通機関の無料化が2023年12月より始まっている。住民を対象としたサービスだが、利用者数は最初の3か月間で23.7%も増加した。フリーパスへの登録は人口の半数以上、26万人にも及んでいる。
Ouchi_Seiko
ライター
フランス在住。美容職を経て2019年よりライターに。居住地フランスのサステナブルな暮らしを手本に、地球と人にやさしい読みものを発信。
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フランスのモンペリエ市と周辺31の市町村では、2023年12月21日から、地域住民を対象に公共交通機関の完全無料化が始まった。車利用による環境負荷を減らし、交通アクセスを改善することが目的だ。このような制度を行っている地域として、フランスで最大となる。
この取り組みは、同地域で2020年より段階的に行われてきた。当初は週末のみの実施だったが、2021年には18歳未満と65歳以上を対象に、平日にも拡大された。現在はすべての住民を対象に無料化されている。
地域住民以外の観光客等はこれまで通り運賃を支払う必要があり、この無料化の財源にはそれらの切符の売上収入、不要な券売機の廃止による利益、従業員11人以上の企業から徴収する交通税があてられているという。
今回の完全無料化により、2024年最初の3か月間で公共交通機関を利用した人の数は、2019年の同時期と比較して23.7%も増えたという。18歳未満の年齢層ではその数が倍増している。また利用者数がとくに増えた時間帯としては、平日朝以外のオフピーク時であることが確認された。通勤・通学といったピーク時の利用よりも、プライベートで公共交通機関を利用する人が増えたためだと考えられている。
完全無料化が始まる前は、定期利用していた住民は約86,000人にとどまっていた。しかし無料化になると、わずか数週間で26万人もの人々がフリーパスに登録を行ったという。この地域の人口は約50万人であるから、半数以上にあたる人々が登録したことになる。
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モンペリエ市はまた、電動自転車の購入に対する助成金や、235kmにおよぶ自転車専用レーンの設置など、アクティブモビリティに1億5000万ユーロ(約260億円)の資金を投じた。結果、市内では自転車を利用する人が1日平均で17.2%、都市圏全域では16.2%も増加している。
さらに、カーシェアリングの利用者も急増中だ。たとえばモンペリエが支援するカーシェアリングのアプリ「Blablacar(ブラブラカー)」におけるモンペリエ住民の登録者数は、2022年の約5,000人から、2年あまりで約36,000人に増えた。2020年から少しずつ始まった公共交通機関の無料化が、地域全体にポジティブな影響をもたらしたのだろう。
移動しやすい都市は、街の魅力そのものにつながる。これからのモンペリエは、環境への負荷を減らすと同時に、人を惹きつける街としてモデルになるのかもしれない。
※参考
Free public transport in Montpellier has led to 20 per cent more journeys|Euro News
Now it is Montpellier’s turn: Free of charge public transport|Urban Transport Magazine
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