KDDIのつなぐストーリー vol.1|再資源化率99.8%を実現する“手しごと”

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常に新たなモデルにアップデートされ、ますます高機能かつ便利になっていくスマートフォン。進化を続け、いまや一人一台が当たり前になっている一方で、資源の枯渇や携帯電話に使われる金属資源の採掘・精製に伴うCO2排出が問題となっている。これらの課題を解決すべく、2005年から、資源を再利用するためのリサイクル回収を行っているのが〈KDDI〉だ。不要になった携帯電話をどのように循環させているのか、ELEMINISTのライターが実際の現場を取材した。

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2023.12.18
Promotion: KDDI株式会社

循環型社会の実現を目指す、KDDIのリサイクルへの取り組み

携帯電話のリサイクル「再資源化率99.8%を実現する“手しごと”」by KDDI

KDDIでは、循環型社会の実現への取り組みとして、2005年から不要になった携帯電話を回収し、徹底したリサイクルを行っている。環境への取り組みとして、カーボンニュートラルの実現、生物多様性の保全、循環型社会の実現という3つの柱を掲げ、積極的に進めてきたという。

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KDDI株式会社 サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ企画部 上岡悠太氏

携帯電話には、金や銀などの貴金属のほか、パラジウムといったレアメタルなど、埋蔵量に限りがある資源が眠っている。KDDIは多くの携帯電話を取り扱う企業として、資源の枯渇や環境問題に向き合い、それらを再利用できないかと考え、2005年に使用済み携帯電話のリサイクルの取り組みをスタートした。この資源問題やリサイクルの取り組みについて、サステナビリティ企画部の上岡氏は次のように語ってくれた。

「新しい携帯電話に買い替えた際に、使用済み携帯電話の手放し方がわからないという方は意外と多く、家の中で使われずに眠っている携帯電話は多数存在するのではないかと思います。“なんとなく手放しにくい”という理由で、しまい込んだままにしているという方が少なくないというのも、アンケート調査を通じてわかっています。KDDIグループでは、これまでに約3,000万台の携帯電話を手作業で分解しリサイクルしてきました。回収した携帯電話を機械で分解した場合、焼却処理により燃焼してしまい、再資源化率は70~80%にとどまってしまいますが、一台ずつ手作業で分解することで、再資源化率99.8%を実現しています。お客さまからお預かりした端末を、機械で一斉に処理してしまうのではなく、手作業で丁寧に向き合うからこそできることです。また、分解作業はKDDIの特例子会社であるKDDIチャレンジドなどで実施されており、この取り組みによって障がいのある方の新たな雇用を生み出せていることも、この取り組みを続ける意義だと感じています」(上岡氏)

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スマートフォンを分解したすべてのパーツ。手のひらに乗る小さな端末に、貴金属やバッテリーなどさまざまな部品が詰まっていることがわかる。

リサイクルがもっと身近に感じられるように。ショップでできることとは

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au Style/auショップでは、不要になった携帯電話の回収サービスを行っており、他社の携帯電話も含めて無償で回収してくれる。ここでは、実際にau Style SHINJUKUを訪れた際の体験を通じて、回収からリサイクルまでの流れを紹介しよう。

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KDDI直営店「au Style SHINJUKU」

ショップスタッフの工藤氏は「お客さまが機種変更や新規購入をされる際に、携帯電話リサイクルについてご案内しています。「そういうこともできたのね、あとでもってくるわ!」と仰られ、ご自宅で保管されていた使用済み携帯電話をご持参くださるお客さまもいらっしゃいます」と話す。

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au Style SHINJUKU 工藤久幸氏

2005年からスタートしたこのサービスだが、これまでに印象的だったエピソードもあるという。
「以前、1990年代に発売された懐かしい携帯電話を20台ほどお持ちになったお客さまがいらっしゃいました。『使わないから回収してほしい。気づいたらこんなに増えてしまった』と、当時使っていた携帯電話を懐かしそうに触られていた姿をよく覚えています。名残惜しそうな姿を拝見し、『回収を止めることもできますよ』とお伝えしましたが、『使わないものを持っていても仕方がないので、資源の再利用に活用してほしい』とお話しいただき、丁重に回収させていただきました」(工藤氏)
お客さまの思いに寄り添うサービスは、安心感を与えてくれる。

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お客さまの目の前で、携帯電話に穴をあける作業を行う。これにより携帯電話が起動できなくなり、個人情報などのデータも一切取り出せなくなるため、安心してリサイクルに出すことができる。

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たとえ充電しても電源が入らないよう、本体の主要な部分に数箇所穴をあける。

回収の手順は、携帯電話の初期化チェックから始まり、SDカードや付属品などの返却品の有無、破砕可否などを経験豊富なスタッフが確認する。動作する端末であれば、スマホ・ガラケーともにお客さまの目の前でリセットを行い、データの残存を完全に削除する。

また、バッテリーが外せるガラケーの場合は、物理的に起動できないように端末破砕機で本体に数箇所穴をあけて回収する。au Styleなどのショップでは、個人情報が漏洩しないように細心の注意を払いながら回収を行うことはもちろん、お客さまが安心してリサイクルに出せるよう、厳重な体制で対応している。

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「限りある資源を再利用する環境にやさしい取り組みですので、ご自宅にご不要な携帯電話がございましたら、ぜひお気軽にau Style/auショップにお持ちください。責任をもって回収させていただきます」(工藤氏)

手しごとが創り出す環境にやさしいリサイクル

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KDDIの特例子会社であるKDDIチャレンジドでは、繰り返しの作業を得意とし、高い集中力を持つ知的障がいのあるスタッフが携帯電話の分解作業に取り組んでいる。数千台の携帯電話を仕分けした後、カバーを外す作業、特殊な工具で端末のネジを外す作業、細かな分解作業という3つの工程を経て、リサイクルが行われる。精密機械のため、常に正確さや安全性を確保しながら作業が行われており、これによって99.8%という驚異的な再資源化率を実現している。

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特殊な工具で外側のカバーのネジを外し、その後細かい部材を分解していく。

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機種によってネジ穴が異なるため、穴のサイズによってドライバーを使い分けながら、細かなパーツに分解していく。

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分解したパーツを、それぞれのボックスに振り分けていく。

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端末に付属していたカメラ部分。このように、各パーツに分解される。

手作業で丁寧に分解された資源は、金や銀といった素材ごとに専門業者に渡り、元の素材の状態に戻される。この取り組みは、環境にやさしいリサイクルを実現すると同時に、障がい者の新たな雇用機会も創出している。

分解を担当しているKDDIチャレンジド 大山 晴久氏は、「15年間この作業を行っているので、プロの意識を持って向き合っています。大変なのは、錆びているネジや硬いネジなどを外すこと。また、怪我をしやすいので、危険なものを扱う時は手袋と専用のゴーグルをつけて作業しています。携帯電話の分解を通じてリサイクルに貢献できる取り組みを行っていることに、日々やりがいを感じています」と語った。

家にある携帯電話から始める、循環型社会の実現

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藤井由香里/ライター。学生時代より環境問題に関心があり、読者でもあったELEMINISTにて2022年より執筆活動をはじめる。

一人一台が当たり前の時代になり、2〜3年というスパンで機種変更が行われている現代において、不要になった携帯電話の数は計り知れない。古い携帯電話の場合はデータ移行が難しいなどの課題はあるものの、KDDIが行うリサイクルの取り組みのように、不要になった手持ちの携帯電話から気軽に社会や環境へと貢献できることを知ることは、多くの人にとって新たな選択肢となるだろう。

上岡氏はこうも語った。「まずはリサイクルの取り組みを知っていただくことが重要だと思っています。そして、携帯電話が不要になったら終わりではなく、次の循環にのせていくような取り組みをKDDIとしても続けていきたいと思っています」

時代はますます便利になっていく一方で、その裏側にある問題を見過ごしてはいけない。人間が生み出し、使用したモノは責任を持って循環させていく必要がある。携帯電話を扱う大手企業として長年これらの問題と向き合い、リサイクルの取り組みを続けていることを知り、改めてこの事の重要性に気づかせてくれる。

身近にあるもので貢献できるアクションがある。もし、家に手放してもいい携帯電話が眠っているならば、ぜひお近くのショップを訪れ、リサイクルに出してみてはいかがだろうか。

撮影/中村寛史、取材・執筆/藤井由香里、編集/後藤未央(ELEMINIST編集部)

※掲載している情報は、2023年12月18日時点のものです。

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