装飾のために動物を狩猟する「トロフィーハンティング」 フランスが禁止へ

野生動物、ゾウ

Photo by Joaquín Rivero on Unsplash

動物の角や皮を装飾するために行われる狩猟「トロフィーハンティング」。フランスではいま、トロフィーハンティングを禁止する動きが進められている。

Kanae Tahara

Freelance PR / Writer

社会貢献×ライフスタイルを軸にした日本国内の企業で広報、PR、コンテンツ制作などの経験を積み、2023年よりフリーに。現在カナダ在住。

2023.12.25
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トロフィーハンティングとは?

トロフィーハンティングとは、動物の頭部を剥製にしたり、角、牙、歯、皮などを記念品として飾ったりするために、狩りを行うこと。

動物保護団体ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(HSI)のWebサイトによると、2005〜14年までの10年間で、アメリカだけでも126万頭分の野生動物がトロフィーハンティングされ、輸入されたという。平均すると1年間に12万6000頭の動物が殺され、アメリカに持ち込まれたことになる。

トロフィーハンティングは生態系全体への影響だけでなく、動物愛護の観点からなど、多方面から問題視されており、各国で取り締まりや法規制の対応が議論されている。

フランスがトロフィーハンティング禁止法案を提出

野生動物のヒョウ

Photo by Sophia Louw on Unsplash

このようなトロフィーハンティングについて、いま禁止の方向に向けて進んでいるのが、フランスだ。先日、保護種のトロフィーハンティングの輸入を禁止する法案が議会に提出された。

フランスでは2015年より、トロフィーハンティングしたライオンの頭部や脚、皮の輸入を禁止している。しかしライオン以外の動物については規制されていなかったため、トロフィーハンティングされた動物が狩猟・輸入され続けてきた。

そこで、この保護策を他の動物にも拡大。ライオンだけでなく、ホッキョクグマ、ヒョウ、アフリカゾウなどの他、絶滅の危機に瀕している保護種にも適用し、広範囲にわたるトロフィーハンティングの輸入を規制することを狙う。さらに、輸入だけでなく、トロフィーハンティングの目的で動物を狩猟する行為そのものに対する制限も検討されている。

フランスで行われた世論調査によると、この法案に91%が賛成を表明。大多数のフランス国民が支持していることがわかる。

トロフィーハンティングを禁止する法整備が求められる

トロフィーハンティングについての法規制やルールは国や地域ごとに異なるが、一律禁止にしている国もある。HSIによると、かつてハンターに人気の地だったケニアは、1977年に禁止に。そのほか、マラウイ、コスタリカ、インドなどでも禁止されている。

このように規制や禁止に動く国が増える一方で、トロフィーハンティングが合法的に行われている国は未だ多い。

フランスの事例のように、国民の声に耳を傾けながら、政府が主体となって規制していく動きが求められているのではないだろうか。

※掲載している情報は、2023年12月25日時点のものです。

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