ウェアラブルデバイスとは? 健康管理におけるメリットや市場規模も

ウェアラブルデバイスを操作する人の手元のイメージ

Photo by Luke Chesser

「ウェアラブルデバイス」は、身体に装着して使用するデバイスのこと。近年利用者を多く見かけるようになったが、どのような機能があり、何に役立つのだろうか。本記事では、ウェアラブルデバイスでよく利用される健康管理機能や市場規模ついて言及しながら、選び方についても紹介していく。

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2023.10.24
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そもそも「ウェアラブルデバイス」とは

「ウェアラブルデバイス」とは、「ウェアラブル=身につけられる」デバイスのこと。スマートフォンやタブレット端末のように、「持って」操作することを基本とせず、手首や腕、頭など身体に「装着」して使用するタイプのデバイスを指す。

【ウェアラブルデバイスで主にできること】
・移動距離や歩数などの計測
・心拍数(脈拍)の計測
・消費カロリーの計測
・睡眠時間と睡眠の質を記録する睡眠計
・通話・SNSメッセージの確認
・音楽アプリの再生
・ゲーム
・電子マネー決済
・連携した機器のコントローラー機能

健康管理のために利用されることが多い

さまざまな機能を持つウェアラブルデバイスだが、株式会社マクロミル「ウェアラブルデバイス認知者1,000名にきく、利用実態・意向調査(※1)」によると、保有者がよく使っているウェアラブルデバイスの機能1位が歩数の計測だそう。2位が心拍数(脈拍)の計測、3位が着信・メール、SNSメッセージの通知確認。さらに運動時間の計測、起床・就寝時間の記録、消費カロリーの計測と続いており、健康管理機能をメインに利用していることがわかる。

国内におけるウェアラブルデバイス保有率は、2022年3月時点で11.3%といわれているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大によってに健康意識が高まっていることもあり、装着するだけで手軽に健康管理を可視化できるウェアラブルデバイスは、今後ますます注目されていくだろう。

ウェアラブルデバイスのメリット

健康管理のために利用されることが多い、ウェアラブルデバイス。では、健康管理におけるウェアラブルデバイスのメリットは何なのだろうか。

長時間装着したまま過ごせる

ウェアラブルデバイスは、手に持つデバイスと違って装着したままなので、身体に関するデータを長時間収集することができる。

小型化や軽量化が進んでいるほか、水泳時に使用できるレベルの耐水性がある仕様の製品もある。タイプも腕時計型やリング型、メガネ(ゴーグル型)などさまざまで、仕事中や運動中など、多くのシーンで装着が可能だ。

健康状態が自動で可視化できる

装着しているだけで自動的に健康状態を記録し、可視化できるのもウェラブルデバイスの健康管理におけるメリットといえる。

可視化できることで、健康意識がそこまで高くない人も「今日は何歩歩いただろう?」「いつもより心拍数が高いかも」「昨日より血圧が高い」など、自身の健康状態について意識し、知るきっかけになるだろう。

また、消費カロリーや睡眠時間、血圧など、気になる値がある人にとっても、自動で記録し可視化できることで、自身の健康状態を手軽に把握することができる。

遠隔見守りができる

ウェアラブルデバイスは、介護や医療分野でも活用されている。

身近な使用例だと、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスを使って、遠距離に住む親の見守りをおこなう人も増えているそうだ。心拍数や血圧などの健康状態を把握するほか、GPS機能や緊急時通報機能を利用でき製品もあるため、健康状態の把握はもちろん、いち早く体調の変化や緊急事態に気づくことができる確率が上げることができる。

自分自身の健康管理に使用できるほか、家族や大切な人の健康管理にも役立てることができるのも、ウェラブルデバイスのメリットといえるだろう。

ウェアラブルデバイスの市場規模は拡大傾向

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による健康意識の高まりや、高齢化社会の進展などもあり、ウェアラブルデバイスの市場規模は拡大傾向にある。

2023年2月27日に発表された、株式会社富士キメラ総研「『ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2023』まとまる(2023/2/27発表 第23023号)(※2)」によると、ウェアラブル/ヘルスケア関連機器の2022年の国内市場の見込みは、2021年と比べて115.7%。さらに2027年予測では、2021年比186.8%と拡大傾向にある。

今後個人の健康意識がより高まるのはもちろん、高齢化が進むことで介護や医療分野でのさらなる活用が期待される。健康管理や見守りができるウェアラブルデバイスの需要はより高まり、市場規模が拡大していくだろう。

健康とSDGs

ウェアラブルデバイスを活用して健康管理をおこなうことは、SDGs 目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成につながることも覚えておきたい。

少子高齢化が加速している日本では、支援や介護を必要とせずに日常生活を送れる「健康寿命」を伸ばすことが重要視されている。

2019年の日本人平均寿命は女性が87.45歳、男性が81.4歳。一方平均健康寿命は、女性が75.38歳、男性が72.68歳と、平均寿命と健康寿命で10年ほど差があることがわかる(※3)。これは、10年前後の期間を要介護や寝たきりの状態で過ごしているということだ。

今後ますます少子高齢化が加速し、高齢者が増え、介護をおこなう若者の数が減ることで、十分な介護が受けにくくなることはもちろん、介護する若者の負担も大きくなってしまう。

そんな状況を回避するためにも、なるべく早い段階で健康について意識し、自分の身体と向き合い、健康寿命を伸ばす必要がある。ウェアラブルデバイスを取り入れて健康管理をすることは、その1つのきっかけになり得るだろう。

ウェアラブルデバイスの選び方

wearable device

Photo by Onur Binay on Unsplash

ウェアラブルデバイスは、さまざまなメーカーから多くの商品が販売されている。ここからは、ウェアラブルデバイスの選び方を紹介しよう。

使用目的で選ぶ

まずおすすめなのが、使用目的で選ぶ方法だ。主にスポーツや運動で使うのか、健康管理目的で使うのか、ビジネスシーンで使うのか、電子決済などで使いたいのか、など目的によって重視する搭載機能が異なる。

スポーツで使いたい人は、移動距離測定や心拍数測定機能が搭載されているもの、健康管理目的の人は血圧測定、血中酸素濃度測定が搭載されているものなど、使用目的に合う機能が搭載されたアイテムを選ぶことが大切だ。

またウェアラブルデバイスには、腕時計型やリストバンド型、メガネ(ゴーグル)型、指輪型などさまざまなタイプがある。使用目的に適したタイプの、ウェアラブルデバイスを選ぶことも重要視してほしい。

機能で選ぶ

ランニングやサイクリング、山登りなどのアウトドアで使用する際に役立つGPS機能や、水泳に適した耐水性、ビジネスシーンで重宝するタスク管理機能など、製品によってさまざまな機能が搭載されている。

使うシーンがはっきりしている人は、必要な機能を洗い出し、求めている機能が搭載されているか確認して選ぶと失敗が少ないだろう。

メーカーで選ぶ

同じようなスペックの製品があり、アイテム選びに迷ったら、メーカーで選ぶのもおすすめ。

スマートフォンと連携できるOSが搭載されているメーカーのアイテムを選ぶと、音楽が聞けたり、メッセージ通知が来たりと、より多くの機能を利用することができる。

とくに機能やタイプ、デザインにこだわらない場合は、スマートフォンやパソコンと連携できるものを選ぶと便利だろう。

多くの人に寄り添うウェアラブルデバイス

個人の健康管理などに役立てるウェアラブルデバイスのほか、高齢者や障がい者が安心して生活できるようサポートしてくれるウェアラブルデバイスも存在する。もし街中でそういったウェアラブルデバイスを使用している人を見かけたら、何か困っていることがないか寄り添い行動する、「心のバリアフリー」を意識することも重要だ。

※掲載している情報は、2023年10月24日時点のものです。

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