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ドイツのあるサーカス団では、生きた動物をショーに登場させず、代わりにホログラフィーを活用している。動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点から、動物に芸をさせる時代はもう終わろうとしているようだ。
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近年、動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点から、サーカスでの野生動物使用を禁止・制限する国が増えている。
そんな国のひとつ、ドイツで長年、サーカスを行ってきたのが、「ロンカリ・サーカス(Roncalli Circus)」だ。
ロンカリ・サーカスでは1991年に、ライオンとゾウをショーに登場させることを中止。2018年には、それ以外のすべての生きた動物をショーで使用することをやめた。そして、これまで生きた動物を使っていたショーをホログラフィーにすべて置き換えている。
ホログラフィーとは、レーザー光を利用して物体を立体的に表示できる技術だ。現代では、さまざまなショーなどに使われており、同団体の団長があるショーで使われているのを目にして、自分たちのサーカスに応用することを思いついたという。
いまでは、ピエロ、マジシャン、アクロバットショーなどの古典的な内容に、最新テクノロジーを融合して、より魅力的なショーにしているようだ。
サーカスは、各都市や地域をめぐり、そこでショーを行うのが一般的だ。そのため、生きた動物をショーに登場させる場合、それらの動物も連れてまわる必要がある。ゾウ、ウマなどの動物が、各地を転々と移動してまわることは大きなストレスを与えることになる。
また、その動物たちのスペースを確保することも、サーカス団員にとって負担となるそうだ。これらに加え、動物たちに芸をさせることにも疑問の声が多い。
動物が芸をみせる時代は終わり、その代わりにテクノロジーを活用して人々を魅了する時代に移ってきているようだ。ロンカリ・サーカスの団長は「我々のサーカスが、ステージ上で本物の動物を見せるのはもはや適切ではない」と語っている。
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