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アメリカで白熱電球の生産と販売が2023年8月より禁止となった。一部製品を除き、エネルギー効率の高いLED電球へシフトすることで、地球温暖化を引き起こす炭素排出量を今後30年で2億2,200万トン削減できると予測。さらに、小型蛍光灯(CFL電球)も禁止される予定だ。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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8月1日より、アメリカで白熱電球の生産と販売が禁止となった。
米国エネルギー省が2022年、電球の発光効率を1ワットあたり最低45ルーメンを満たす必要があるという基準を定めた。電気機器メーカーのフィリップスによれば、従来の白熱電球は1ワットあたりわずか15ルーメン程度だ。そのため、一般家庭で広く使われている白熱電球の製造と販売が事実上違法となったのだ。
一方、ほとんどのLED電球は1ワットあたり75ルーメン以上と、白熱電球と比較すると、約5倍も発光効率が高い。つまり、LED電球は白熱電球に比べて消費電力が低く、寿命が長い上、明るく省エネというわけだ。
エネルギー省は、この規則により光熱費を30億ドル近く節約できると試算している。さらに、地球温暖化を引き起こす炭素排出量も今後30年間で2億2,200万トン削減できると見込んでいる。
冷蔵庫やオーブンの照明、虫除けランプ、植物用ライトなど、一部商品については、例外としてメーカーでの製造と店舗での販売が認められる。また、現在家庭で使っている白熱電球はそのまま使用できるが、今後買い替える時はLED電球が必要となる。
さらに、エネルギー省は2022年12月、現在の発光効率の2倍以上にあたる、1ワットあたり120ルーメン以上とする規則を提案している。この新ルールは2024年末までに発効され、小型蛍光灯(CFL電球)も事実上禁止となる予定だ。
白熱電球からLED電球へのシフトは、より持続可能な環境のための簡単なステップだ。前述の通り、LED電球は消費電力が低いため、同じ明るさでもCO2排出量を大幅に減らすことができる。おまけに寿命が長いため、交換頻度が少なくすみ、資源と電気料金の節約にもつながる。
日本にはこのようなルールはないが、家庭でできる省エネ対策の取り組みに、LED電球の選択というオプションを加えてはいかがだろう。
※参考
What you need to know about the incandescent light bulb ban|CNN
Incandescent light bulb ban: What you need to know as new rule takes effect|abc7NY
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