フィンランドでサステナブルな夏の旅「Planet-Positive Conservation Holiday」

フィンランドの湖

Photo by Visit Finland

フィンランドは2023年夏、旅行会社やメディアを対象にした実証実験「Planet-Positive Conservation Holiday」を実施する。旅行者が環境保護活動に参加することで生物多様性を守ることを目指し、旅をサステナブルに楽しむための方法を紹介している。

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2023.07.05
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フィンランド政府観光局 旅行者が環境保護活動に参加する新しい再生型旅行を提案「Planet-Positive Conservation Holiday」

フィンランドの湖

Photo by Visit Finland

フィンランド政府観光局は2023年夏、Nuuksio National Park(ヌークシオ国立公園)のハルティア レイクロッジで、旅行会社やメディアを対象にした実証実験「Planet-Positive Conservation Holiday」を実施することを発表した。

これは、旅行者が環境保護活動に参加することで生物多様性を守ることを目指す、新しい再生型旅行コンセプトとなっている。

このプロジェクトは、旅先の自然環境だけでなく、変化を促したい、気候変動に対する不安を和らげたい、自然とつながりたいと思う旅人にとってもメリットに。

世界で一番幸せな国と呼ばれるフィンランドは、サステナブルな休暇を楽しむ方法にあふれている。ワイルドフード(野生食材)の採取、ヨーロッパ最大級の湖でのカヌーによる島巡り、インセクトホテル(虫の巣箱)づくり、公共交通機関による自然景観地へのシームレスな移動など、環境にやさしい夏の旅に最適だ。

フィンランドは環境保護についての将来ビジョンとして、2035年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出を実質ゼロにする)を実現し、化石燃料を使わない世界初の福祉社会になることを宣言している。

この目標を達成するために、フィンランド政府観光局のSustainable Travel Finlandプログラムは、国内の旅行業界をカーボンニュートラルにすることを目指しており、ネットゼロ達成への取り組みを加速させている。

何千もの湖が織りなす原始的な景観と、世界でもっとも澄んだ空気を持つと言われ、北欧の宝石とも呼ばれるフィンランドは、旅行者にサステナブルな旅の方法を数多く提供している。

フィンランド政府観光局 Head of Sustainable Development(持続可能開発担当者) Liisa Kokkarinen氏

「私達は、旅行者が自然の中でゆっくりと深呼吸できるような体験を提供したいと考えています。サイマー湖でカヌーに乗ったり、島のキャンプ場で寝たり、田園地帯を自転車で移動して地元の味覚を楽しんだりすることは、フィンランドでの夏休みをサステナブルに、リラックスして過ごすための素晴らしいアクティビティの一例です」

ハルティア レイクロッジ CEO兼共同創設者 Teemu Tuomarla氏

「旅行者の行動は、訪れた地域にもいい影響を与えることができます。このフィンランド政府の国有地を管理するMetsähallitus Parks & Wildlifeと共同で行う実証実験では、人々は旅行を通じて、もっとも重要な資源である自然との関わり方や、自然の再生力を高める方法を深く学ぶことができます。そうした旅の経験は、フィンランドを訪れる人々の思い出に残るはずです」

フィンランド政府観光局が選ぶ、この夏フィンランドでサステナブルに楽しむべき10のこと

1.サステナブルな食事を堪能し、無料の公共交通機関を楽しむ

首都ヘルシンキからわずか20kmに位置する国立公園Nuuksio(ヌークシオ)では、サステナブルな食事を楽しむことができる。

小規模で上質なサービスを提供するホテルを対象としたブティックホテル・アワード・ヨーロッパで2022年のもっともサステナブルなホテルに選ばれた「ハルティア レイクロッジホテル」は、世界の食糧問題をテクノロジーで解決するアグリテック・スタートアップ企業、Arctic Farmingとの事業提携を開始。

また夏には、ハルティアがヘルシンキ地域交通局(HSL)と市内中心部からホテルまでの往復チケットを無料で提供するキャンペーンを開始し、レンタカーをつかわずに、自然を満喫できるようになる。

2.インセクトホテル(虫の巣箱)をつくり、CO2排出量がゼロの食材を採取

Hawkhill Cottage Resort創業家3代目で起業家でもあるAnnu Huotari氏は、5月から9月までの期間限定で滞在するゲストにインセクトホテルづくりという、ユニークな体験を提供。

このアクティビティでは、フィンランドの森や草原に生息する植物の見分け方、採り方、扱い方、保存方法、楽しみ方など、最良のヒントを得ることができる。

3.「新しい」装いで滞在を開始する

フィンランドの主要な玄関口であるヘルシンキ・ヴァンター国際空港では、地元で大人気のセカンドハンドショップ「Relove」がコンセプトショップを出展する予定となっている。

これによりヴァンター国際空港は世界初のセカンドハンドショップを併設した空港となり、フィンランドでいま流行中の古着を着てサステナブルファッションで旅を楽しむことができる。

4.サイマー湖のカヌーで島めぐり

サイマー・カヌーイングは、フィンランドでもっとも持続可能な移動方法のひとつ。このカヌーイングのルート開発作業は、2023年のトラベルフェアのサステナブルコンテストで受賞し、Puumala(プーマラ)の地域はサステナブルトラベル フィンランドの称号を授与されたばかりだ。

息をのむほど美しいこれらのルートにはプライベートキャンプ場とキャビンでの宿泊が含まれている。

5.ゲストハウスからゲストハウスへ自転車で移動する美食ツアー

1週間のフードツアーに参加し、フィンランドのカレリア料理の奥深さに触れることができるこのツアーは、ゲストハウスからゲストハウスへ、1日15~35kmの距離を自転車で移動する。

新鮮なベリー類やカレリアンパイなど、地元のおいしいものを食べながら、休憩もたっぷり取って移動。持続可能でありながら、料理を堪能できる旅はフィンランドならではのツアーとなっている。

6.列車で国立公園を旅する

フィンランドの国有鉄道会社VRは、ヘルシンキ中央駅から緑豊かなRepovesi(レポヴェシ)国立公園へ直行する、人気の高い列車路線を再開。今年はHillosensalmiとの接続が10月まで運行するので、列車で美しい紅葉を見に行くことも可能だ。

7.Kristinestad(クリスティネスタッド)でサイクリング

ボスニア海の西岸に位置し、Sustainable Travel Finlandの称号を授与されたフィンランドで2番目の地域、クリスティネスタッドにあるHotel Krepelin。宿泊客はレンタル費無料の自転車で、壮大で美しい旧市街を探索することができる。

8.群島で野生の食材をいただく

受賞歴のあるワイルドフード(野生食材)シェフSami Tallberg氏と、歴史博物館・農場のSöderlångvikのコラボレーションにより、Kimitoön地域の自然の恵みたっぷりながらトスカーナ料理の影響も受けた、サステナブルでおいしい料理を堪能することができる。

9.愛の証として、木を育てる。

フィンランドのRakkauden Metsä(愛の森)では、愛の証として木を植えることができる。植樹は許可された場所であればどこでも可能で、このコンセプトから得られる資金は気候変動を抑える自然保護活動に充てられる。

10.バルト海の浄化された海水で入浴する

Hotel Kasnäsは、長らくサステナビリティ活動に取り組んできた。屋外プール、スパ、レストランはすべて親会社であるSalmonfarmの余熱を利用した地域エネルギーで温められている。さらに、飲料水、シャワー、入浴で使用する水にはすべてバルト海から直送された浄化された海水が使われている。

お問い合わせ先/フィンランド政府観光局
https://travel-trade.visitfinland.com/en/sustainability/

※掲載している情報は、2023年7月5日時点のものです。

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