Mastercardは、2028年より新しく製造されるすべてのプラスチック決済カードについて、再生プラスチックや生物由来のプラスチックを使用する方針を発表。新たにつくられたサステナブルカードは使用成分と持続可能性の評価を第三者監査人が行い、認証マークが刻印される。
ELEMINIST Press
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Mastercardは2028年までに自社ネットワークの決済カードから、新規製造分のPVCプラスチックを排除する取り組みを加速させることを発表した。
この取り組みにより、Mastercardのサステナビリティへの貢献を強化。環境問題への配慮を試みる消費者にとっても利用しやすい仕組みを提供するとしている。
決済ネットワークでの最初の取り組みとして、2028年1月1日より、新しく製造されるすべてのMastercardのプラスチック決済カードについては、より持続可能な素材(再生ポリ塩化ビニル(rPVC)、再生ポリエチレンテレフタレート(rPET)、ポリ乳酸(PLA)などの再生プラスチックや生物由来のプラスチック等)を使用し、認証プログラムを通じて承認される予定となっている。
また、国際的に提携しているカード発行会社のバージンポリ塩化ビニル(PVC)を材料としたプラスチックからの移行もサポートする予定だ。
「世界にはプラスチックに対する問題があります。プラスチック問題を解決することは社会全体の課題ですが、取り組みはしばしば孤立し、連携せずに行われます。
今回のサステナブルカードへの取り組みにより、Mastercardは合計30億枚以上のMastercardカードを保有している銀行、金融機関、消費者の国際的なネットワークを結集し、協力とパートナーシップを通じて、より環境にやさしい決済セクターを構築していきます」
Mastercardは、2018年にサステナブルカードプログラムを開始。以降、アジア太平洋地域における15市場のカード発行会社90社を含め、80ヵ国にわたる330以上のカード発行会社が自発的に参加した。
Mastercardは主要なカード製造会社とパートナーシップを組み、アジア太平洋地域の3100万枚のカードを含む全体で1億6800万枚以上のカードをリサイクル素材やバイオベース素材に移行。
今回の発表は、こうした取り組みを推進するとともに、物理的なカードを完全に排除するデジタル・ファーストプログラムの取り組みを補完することとなる。
このルール変更により、これから新しく製造されるすべてのカードは、使用成分と持続可能性を評価するために、Mastercardによって認証されることになり、この認証は、独立した第三者監査人により検証され、カードが認証されると、Card Eco Certification mark(カードエコ認証マーク)が刻印される。
マルフォートラ氏は次のようにもコメントしている。「ここ、アジア太平洋地域では、Mastercardの発行会社はこの取り組みに非常に好意的で、日本、オーストラリア、台湾、シンガポール、マレーシア、その他多くの市場で、すでに90の利用企業がサステナブルカードプログラムに加入しています。
つまりカード所有者は、持続可能なプラスチックから製造されたカードであることを誇りに思いながら、自身のカードを持ち歩くことができるのです。この包括的なネットワークのつながりが、この取り組みをより特別で、より効果的なものにしています」
2018年にはMastercardのデジタル・セキュリティ・ラボを通じて、カードメーカーのジェムアルト、Giesecke+Devrient、IDEMIAとともに、カード製造における初回使用分のPVCプラスチックの使用量を削減するための「グリーナー・ペイメント・パートナーシップ」を立ち上げ、2021年にはMastercard Card Eco-Certification(以下、CEC)スキームを開始した。
「Mastercardは、事業をネット・ゼロ・エミッションに向けて推進し、自社のネットワークと規模を活用して、低炭素で再生可能な経済への移行を加速させることで、気候変動対策を推進し、廃棄物を削減することを約束します」
Mastercardは10年以上前から、金融包摂、データ責任、環境を重視したサステナビリティの取り組みを確立しており、そのネットワークを通じて、パートナーとともに、サステナブルカードのような新たな環境に関する改革やイニシアチブを市場にもたらしてきた。
Mastercardは2025年までに全世界で1億本の木を回復させることを目標としたPriceless Planetコアリションにも取り組んでいる。
アジア太平洋地域では、オーストラリア、韓国、中国、香港特別行政区、台湾、フィリピン、カンボジアの20以上のパートナーがコアリションに加盟しており、現在は世界各地で18の森林再生プロジェクトが進行している。
Mastercardはさらに、スウェーデンのフィンテック企業Doconomyと共同でMastercard カーボン・カリキュレーターを開発。
世界中のすべてのMastercardカード発行会社が利用可能で、利用者は、簡単に統合できるAPIによって、Mastercardの所有者は銀行アプリで自身が購入した商品の二酸化炭素排出量(推定値)を把握することができる。
この先駆的なESGフィンテックソリューションは、昨年11月にシンガポール金融管理局(MAS)が発表したシンガポール・フィンテック・フェスティバルの「グローバル・フィンテック・アワード2022」で1位を受賞している。
※HSBC:Hong Kong and Shanghai Banking Corporation(香港上海銀行)
「この度のMastercardの発表は、金融サービスにとって大きな一歩となりました。rPVCのような持続可能な新素材は、より持続可能な未来を築くための取り組みを加速させる明確な方法を私たちのセクターに提供しています。
HSBCではネットゼロ戦略の一環として、すでに世界の28の市場で、リサイクルプラスチック製ペイメントカードを導入しています。さらに、デビットカード、クレジットカード、コマーシャルカードのすべてに持続可能な素材を使用するという要件を製品ガバナンスに組み込むことで、埋め立て処分されるはずだった85トンのプラスチックの削減を達成しました。
これは、強力なパートナーシップなしには達成できなかったことです。世界中で盛り上がりを見せているこのムーブメントの一翼を担うことができたことを誇りに思います」
お問い合わせ先/Mastercard
https://www.mastercard.co.jp/ja-jp.html
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