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欧州議会は、世界で初めて、森林破壊に関連した製品の輸入を禁止。企業がEUで製品を販売する場合、森林破壊に関連しない証明の提出を義務づける。「欧州森林破壊防止法」は、牛肉、大豆、パーム油、ココア、コーヒー、チョコレート、ゴム、木材、皮革などに適用される。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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欧州議会は、熱帯林や森林の破壊を防止する世界初の法律を承認した。
欧州森林破壊防止法(European Deforestation Regulation、EUDR)により、森林破壊に関連した農産物や製品のEUへの輸入が禁止される。企業がEU市場で製品を販売する場合、2020年以降に非合法で森林が伐採された土地で原材料などが栽培されていないことを証明することが必要。“検証可能な”情報の提出を義務づける。
この法律は、EUで販売されるさまざまな日用品のサプライチェーンから森林破壊をなくすことを目的としたものだ。環境に配慮した製品の需要を促し、森林破壊に対する世界的な取り組みに貢献する狙いがある。
対象となるのは、牛肉、大豆、パーム油、ココア、コーヒー、チョコレート、ゴム、木材、皮革、家具など。
この法律はEU加盟国からの承認を得たのち施行される。大企業は18か月、中小企業は24か月の猶予期間を経て、この法律を遵守することになる。違反した場合、売上高の4%を上限に、罰金が課せられる可能性があるという。
世界の温室効果ガス排出量の約10%は、森林破壊によるものだ。この欧州森林破壊防止法により、温室効果ガス排出や生物多様性の損失を抑えることができるとみられる。
一方で、EUと貿易を行う一部の国からは反発が起きている。例えば、ブラジルのアグリビジネス グループであるABAGもこの動きを激しく非難。同団体は、南アメリカは世界最大の食料供給国のひとつであり、大豆、コーヒー、牛肉の主要生産国であるとし、すでに森林法に基づいて森林伐採を規制し一部の地域の伐採を合法としていると、主張している。
森林破壊に目を向けた、今回の法律。国際間のねじれが生まれやすいが、私たちの身の回りのさまざまな製品が、森林破壊に関連していないか、改めて目を向けるきっかけになるかもしれない。
※参考
EU Parliament passes world’s first law to stop deforestation|Mighty earth
EU lawmakers back ban on goods linked to deforestation| Reuters
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