Photo by Build Solar
イギリスのスタートアップ企業が、太陽光発電ができるガラスレンガ「Solar Squared(ソーラー・スクエアード)」を開発。従来のガラス建材の代わりとして、さまざまな建築物に使用できる。建物の外観を損なわないだけでなく、高い断熱性も期待できる。
神本萌 |Moe Kamimoto
フリーランスライター
大学時代に南アジア文化を学んだことをきっかけに、環境や人権の問題に関心を持つ。それ以降、より自分と地球にやさしい暮らしを目指して勉強中。趣味は写真。
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Photo by Build Solar
太陽光発電と聞くと、ほとんどの人が黒く大きなソーラーパネルを思い浮かべるのではないだろうか。そのため、設置費用の高さやメンテナンス、リサイクル問題などに加えて、建物の外観に影響を与えることから、ソーラーパネルの導入を躊躇する人もいるだろう。
イギリスのエクセター大学から生まれたスタートアップ「Build Solar(ビルド・ソーラー)」は、太陽光発電を普及させるため、それらの問題を解決する画期的なアイデアを生み出した。
太陽光発電できるガラス製のレンガ「Solar Squared(ソーラー・スクエアード)」だ。
ソーラー・スクエアードは、従来のガラス建材の代わりとして使うことができる。ソーラーパネルよりも設置場所の自由度が高いことに加え、ガラスと同じように光を通すため、外観に影響を与えにくい。
建物のデザインに合わせて使えるよう、透明なガラスだけではなく複数のパターンや色が用意されている。
Photo by Build Solar
ソーラー・スクエアードの使用例。2色のレンガが使われている。デザイン性も考慮した建築設計が可能だ。
さらにソーラー・スクエアードは、従来のガラス建材よりも断熱性が高い。建物に使用することで、冷暖房費や電気使用量の削減にも貢献すると期待されている。
ソーラーパネルのように設置場所を選ばず、住宅や商業施設はもちろん、バス停や駅など、さまざまな建築物に使用可能だ。
Photo by Build Solar
同社は2023年2月、イギリス政府のプログラムを通じて、約27万ポンド(約4,400万円)の資金提供を受けることが決定した。このプログラムは、ネットゼロエネルギーの普及促進を目的としたものだ。
同社はこの資金をもとに、商業化へ向けて本格的に動き出す。 製品のテストや機能向上のほか、雇用支援にも資金を活用。まずは、同社の拠点であるイギリス南部コーンウォール州での商業化を目指している。
太陽光発電のデメリットを解消するソーラー・スクエアード。数年後には新しい太陽光発電の形として世界中に普及するかもしれない。
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