世界のエンタメ賞が男女別部門を廃止「ジェンダーニュートラル賞」を新設　MTV・ブリットアワードも

ジェンダーレスな部門を新設した世界のエンタメ賞

エンターティメントの主要な賞で、これまでの男性部門・女性部門を廃止し、性別をわけない「ジェンダーニュートラル」な部門を新設する動きが広がっている。そのようなジェンダーニュートラルな方向へシフトした賞を紹介しよう。

MTV ビデオ・ミュージック・アワード（MTV Video Music Awards）

アメリカのMTV主催の映画とテレビの賞。2017年に史上初となる「ジェンダーニュートラル演技賞」が設けられた。この賞は“エンターテインメント業界における平等の分岐点”として歓迎され、男性と女性が映画で同等に重要な役割を果たしているという事実が尊重された。

インディペンデント・スピリット賞（Independent Spirit Awards）

NPO団体のFilm Independentが主催する、インディペンデント系の映画に贈られる賞。第38回を迎えた2023年より、男性向けと女性向けにわかれていた２つの部門を「ベスト リード パフォーマンス」「サポート パフォーマンス」に変更して表彰された。

ブリット・アワード（Brit Awards）

毎年イギリスで開催される音楽の祭典。2022年より、ブリット・アワードは最優秀ソロ賞と最優秀インターナショナル・アクト賞の男女別賞を廃止することを決定した。男女別だったカテゴリーは、「アーティスト オブ ザ イヤー」「インターナショナル アーティスト オブ ザ イヤー」というジェンダーニュートラルな２つの賞に変更している。

ルシル ローテル賞（Lucille Lortel Awards）

ニューヨークのオフ・ブロードウェイ（小規模劇場）での優れた功績を表彰する毎年恒例の賞である。2022年から、パフォーマンス賞を男女別のカテゴリーに分けず、ジェンダーニュートラルなカテゴリーのパフォーマーを表彰する形式にシフトした。より包括的な方法で芸術性を評価し、才能ある演技者を真に認める方法になるよう変更された。

ベルリン国際映画祭（The Berlin Film Festival）

ドイツのベルリンで毎年２月に開催される世界最大の映画祭のひとつ。1951年に第一回が行われた伝統ある祭典だ。2021年の表彰式より、ジェンダーニュートラルな演技賞が授与された。

権威ある賞にも広がるか　今後の動きに期待

かねてより、映画スターなどの間でジェンダーレスな賞を新設する声が上がっていた。ニューヨークのゴッサム・インディペンデント賞、カナダ・スクリーン・アワードも近年同様のカテゴリを設けている。

ただ、オスカー賞、グラミー賞、アカデミー賞、ブリット賞など、権威ある賞のなかには、依然として男女の性別ごとのカテゴリーを設けているものもある。ジェンダーニュートラル賞の設定がスタンダードになっていくのか、今度の動きに注目したい。

※参考
MTV’s gender-neutral acting award is great, but the rest of Hollywood is miles behind｜The Verge
Independent Spirit Awards’ Acting Categories Dominated By Women As They Go Gender Neutral For First Time|DEADLINE
Brit Awards Announce New Gender-Neutral Categories| Rolling Stone
Lucille Lortel Awards Will Switch to Gender-Neutral Categories for Performers｜PLAY BILL
Berlin Film Festival awards gender-neutral acting prize to Maren Eggert | BBC