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イギリスで実施された、週4日勤務のトライアル。参加した61の企業で、収益と従業員約3,000人の収入に変化はなく、健康状態が大幅に改善される結果になった。そのため、参加したほぼすべての企業が勤務時間短縮モデルを継続することを決定することとなった。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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イギリスで週4日勤務のトライアルが行われた。参加したのは、イギリスの61の企業で、従業員は合計約3,000人になる。
このトライアルは、アドボカシー団体の「4Day Week Global」が、研究グループの「Autonomy」、およびボストン大学とケンブリッジ大学の研究者の協力のもと行ったものだ。以前にも、同じようなトライアルが実施されたが、今回はそれを上回る規模で行われた。参加企業数は約2倍、従業員数は約3倍にもなる、大規模なものとなった。
6か月間のトライアルの結果、週4日勤務は企業と従業員のどちらにも利益をもたらすことがわかった。
参加した企業によると、従業員は給料を100%維持しつつ、週1日休みが増え、年間の労働日数を減らして週労働時間を平均32時間に短縮できたという。睡眠やストレスレベルの改善、プライベートの充実、メンタルヘルスの向上といった健康状態の大幅な改善が報告されている。
「子どもや孫、親を世話する十分な時間がない」と感じる参加者が少なくなり、男性が子どもを世話できる時間が、女性の2倍以上増加するなど、週労働時間の短縮は男女平等にプラスの影響を与えていることを示している。
また、企業収益は6ヶ月のトライアル期間中、トライアル実施前とほぼ同じ水準を維持。昨年対比では、平均35%増となり、退職者数も減った。
これらの結果から、トライアルに参加した61社のうち、約9割にあたる56社がトライアル後も週4日勤務の継続を決定した。そのうちの18社に関しては、週4日勤務を永続的に行うといい、さらに2社はトライアルの延長を発表し、週4日勤務を続けないと決めた企業は3社だけだった。
個人のニーズに合わせて、多様で柔軟性のある働き方を選択できる働き方改革が世界中で進んでいる。より短い労働時間で、最大のアウトプットを出す働き方にシフトしている。
今回のトライアルの結果は、パンデミックによって増加した退職者や燃え尽き症候群に対する解決策として、再び注目を集める可能性があるだろう。
今回のトライアルを実施した「4Day Week Global」は、グローバル キャンペーンの一環として、より多くの企業が賃金水準と福利厚生を維持しながら、標準的な週40時間労働から週32時間労働モデルに切り替えることを奨励している。
仕事に求めるものには個人差があるが、「持続可能な働き方」について今一度考えてみてはいかがだろう。
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