Photo by Dutch Cycling Embassy
オランダの首都アムステルダムにある主要駅の地下に、合計11,000台を収容できる大型の駐輪場が新設された。この駅を利用する1日約20万人のうち半数が自転車を利用しているが、主要駅に大型駐輪場が誕生したことで、自転車を利用しやすい環境がさらに整った。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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Photo by Dutch Cycling Embassy
自転車先進国として知られるオランダ。首都・アムステルダムの主要交通機関のハブであるアムステルダム中央駅に、合計11,000台の自転車を収容できる大規模の駐輪場がオープンした。
駐輪場はアムステルダム中央駅に直結しており、利用者はエスカレーターで直接、駅までアクセスできる。駐輪場には自転車シェアリングサービスの自転車も備わっており、市民の自転車利用を促進する。
アムステルダム中央駅には、鉄道、フェリー、トラム、バス、地下鉄が通っており、1日約20万人の市民や旅行者が利用する。そして、その半数近くが自転車でアムステルダム中央駅まで行くという。そのため、以前は放置自転車が交通を妨げたり、街の景観を損なったりしていた。
そこで市は、総合的な改造計画の一環として駐輪場の建設を計画。アムステルダムの街にはあちこちに運河があるため、6,000万ユーロ(約85億円)を費やし、4年をかけて、その運河の中にこの駐輪場を建設した。
Photo by Dutch Cycling Embassy
駐輪代は最初の24時間は無料で、その後は1日ごとに1.35ユーロ(約190円)。利用するには、「OV-chipkaart」と呼ばれる、銀行口座に紐づけられたオランダの交通カードで読み取るか、Fietstagというタグを自転車に取り付ける必要がある。しかし、何日も自転車を置いたままにせず、通勤や通学で使う分には無料で利用できるということだ。
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自転車先進都市であるオランダにとって、こうしたインフラへの投資は珍しいことではない。毎日自転車を使う市民は、アムステルダム市では約35%、オランダ第4の都市・ユトレヒトでは50%にまで達しているというデータもある。
環境にやさしい自転車を都市交通の中心にして効率性を保つためにも、市民やサイクリストのニーズを反映した変革が今後も進んでいくことが予想される。
すべての都市がアムステルダムの手法を取り入れるのは難しいが、自転車フレンドリーな街づくりの一例になるだろう。
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