できるだけごみを出さない暮らしをしたいという人に、使い捨てカップの代わりに愛用できるタンブラーをご紹介。繰り返し使えるエコなアイテムであることはもちろんのこと、おしゃれな見た目で使うたび気分を上げてくれるというメリットも。暮らしの相棒になる、自分好みのタンブラーを見つけてみては。
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エレミニスト編集部
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”tumbler(タンブラー)”とはシリンダー形のグラスのことで、取手や足がなく、筒状の口が広い形状が特徴。日本ではグラスではなく、コーヒーなどを入れる蓋付きの保温性のある容器を指すことが多い。飲み物のテイクアウト時やオフィスでの使用など、使い捨てカップの代わりになるエコなアイテムとして重宝する。そんなタンブラーの魅力をいくつかご紹介。
年間にどれだけの使い捨てカップが消費されているのか。国際環境NGO「グリーンピース・ジャパン」の調査によると、日本のカフェ業界だけで2020年の1年間で約3億6,950万個。1時間に約9万1,000個が捨てられている計算になるという。(※1)
一人でも多くの人が使い捨てカップの代わりにマイタンブラーを使用するというアクションは、使い捨てカップの消費による環境負荷の低減につながるのだ。
カフェでコーヒーを買うとき、マイタンブラーを持参すれば割引対応が受けられるお店も増えてきている。また、家やオフィスで紅茶やコーヒーを淹れて持ち運べば、カフェやコンビニで買うよりも安く済ませることも可能だ。マイタンブラーを持ち歩くことは、環境にもお財布にもやさしいアクション。
愛用のマイタンブラーが1つあれば、家やオフィスの他に街歩きやドライブ、キャンプやピクニックなど、さまざまなシーンで活躍してくれる。ステンレス素材で保温性の高いものや、折り畳みができてスペースを取らず持ち運びができるもの、バンブー素材で軽量なものなど、素材やつくりによってメリットもさまざま。自分のライフスタイルやニーズに合ったものを選ぼう。
口が広いのが特徴のタンブラーは奥まで洗いやすく、清潔に保つことができる。また蓋の形状が水筒に比べてシンプルなものも多く、複数のパーツに分解して洗う必要がない分、お手入れの際のストレスが少ないのも魅力のひとつだ。
使い捨てカップでは味気がないけれど、お気に入りのタンブラーなら飲むたびに気分を上げてくれる。お出かけやドライブのお供に、仕事の合間にほっと一息つくときに、好きなブランドやデザインのマイタンブラーなら、日常のシーンに彩りを加えてくれる。
タンブラーの素材はさまざま。保冷、保温に優れたステンレスや軽量で豊富なデザインがあるプラスチック素材、環境にやさしいバンブー素材、落としても割れにくく手入れがしやすいシリコン素材などがある。
容量は、コンビニで売られているコーヒーのSサイズが約170〜180ml、Mサイズが約250〜300ml、コーヒーショップのショートサイズが約240ml、トールサイズが約350mlを目安に。スライド式やキャップ式など蓋のタイプによっても気密性が変わってくるため、素材・容量・蓋の形状の3つの要素は、利用シーンを想定して自分に合うものを選ぼう。
毎日使うタンブラーは、少しでも気分を上げてくれるおしゃれなものがいい。ここではテイクアウト時に便利な蓋付き、そしてコーヒー1杯を淹れるのにちょうどいいサイズを中心に、使い捨てカップの代わりに使えるおしゃれでエコなタンブラーをご紹介。
「stojo」は、2014年にニューヨークで立ち上げられたブランド。stojoの製品は“使い捨て文化を終わらせる”と言う理念のもとつくられている。安全性の面から各部品には、プラスチック製品に含まれる化学物質”BPA”や接着剤、化学薬品を不使用。さらにシリコン部分はヨーロッパにおける食器や調理器具の安全基準である「LFGB認証」を取得している。
こちらのシリコン製のタンブラーはコンパクトに折り畳むことができ、洗練されたデザインと色でファッションの一部としても楽しむことができる。スリーブ付きで熱い飲み物でも安心。容量は12oz(355ml)。
使い捨て紙コップの平均寿命は10分以下。莫大な量のコーヒーカップがごみとして捨てられている現状を改善すべく生まれた「Ecoffee Cup」。鮮やかで明るいカラーやクラシカルな模様など、ユニセックスなデザインが特徴的だ。
バンブー素材のカップ本体には、持続可能な方法で管理されている竹林の竹から採れたバンブーファイバー(竹の繊維)をはじめ、トウモロコシ繊維、コーンスターチ、アミノ酸由来の樹脂などが使用されている。キャップとホルダーを外せば食器洗浄機対応で、繰り返し使うことができる。容量は340ml。
魔法瓶のパイオニア的存在の「THERMOS」。1904年のドイツで世界初の“ガラス製魔法瓶”を製品化し、1978年には日本の技術力をもって“高真空ステンレス製魔法瓶”を生み出した、100年以上の歴史を持つ魔法瓶ブランドだ。
ステンレス製のタンブラーは、保冷・保温効果が高いのが大きな特徴。熱い飲み物を入れても外側が熱くならず、冷たい飲み物でも結露しにくい。スライド式の蓋で簡単に開閉ができ、分解しやすいためお手入れも簡単。容量は300ml。全パーツ食洗機対応。
1972年に滋賀県にて創業したテーブルウェア、キッチン・インテリア雑貨ブランド「KINTO」。柔軟なライフスタイルにフィットするデザインで、長年にわたり多くの人を魅了している。
使い勝手の良さはもちろん、見た目の美しさにもこだわったデザインが魅力のタンブラー。二重構造のステンレス製で保冷・保温効果に優れ、表面は傷がつきにくいようパウダーコーティングが施されている。容量は360ml。
アメリカ生まれの断熱携帯ボトルブランド「Hydro Flask」。“Refill For Good(地球の為に、再利用可能な製品を使おう)”というスローガンのもと、使い捨て容器から再利用可能な容器への切り替えを促進している。
保冷・保温に優れたステンレス製の真空断熱構造のタンブラー。スライド式の蓋を採用。スリムなボディで一般的なカップホルダーに収まり、手の小さい人でも片手で持ちやすい。容量は12oz(354ml)。
「無印良品」のステンレスタンブラーは、シンプルなデザインでさまざまなシーンに馴染んでくれる。真空二重構造で、家やオフィスなどでいつでも温かい飲み物を楽しむことができる。スライド式の蓋は、ホコリなども気にせず使えるのが嬉しいポイント。シンプルなつくりなのでお手入れも簡単。容量は300ml。
使い捨てコーヒーカップのない世界を目指し、2007年にオーストラリアで生まれた「KeepCup」。現在は、世界65ヶ国以上で愛用されている。
耐久性と耐熱性に優れ、衝撃に強い、強化ソーダ石灰ガラスを使用。カラフルで愛くるしいデザインが気分を高めてくれること間違いなし。容量は340ml。
100年以上にわたり耐熱ガラス製品の企画・製造・販売を行う「HARIO」。日本で唯一、耐熱ガラス工場を保有しているメーカーだ。
真空ステンレスタンブラーは、持ち運びに便利なスライド式の蓋付きで、アウトドアでも活躍してくれる。容量は300ml。
2021年春に誕生した「FAL.CO」。“アーバンアウトドア”をキーワードに、都会的なデザインとカラーを取り入れながら、機能的で効率的な商品を展開する。
タンブラーには、軽くて割れにくい特徴を持つ竹素材を使用。竹は成長が早く強いため、農薬や化学肥料を使用する必要がない優秀な素材だ。蓋とホルダーはシリコンでできており、温かい飲み物も気軽に持ち運ぶことができる。容量は350ml。
”孫の代まで使える”と表現されるほど丈夫で機能性の高い製品を、100年以上提供し続けている「STANLEY」。シアトル、上海、アムステルダム、マニラにあるオフィスでは、「グリーンオフィスガイド」という環境への負担を減らすための規則を採用。リサイクル、廃棄物の堆肥化、エネルギー効率のいい照明の使用などを進めている。
ステンレスのタンブラーは真空断熱構造で保冷・保温性抜群。蓋上部のツイストカバーを回せば、ストロー、直飲み、蓋の3WAY仕様に。手の小さい人でも持ちやすいスリムボディタイプで、容量は470ml。
炊飯ジャーや電気ポット、ステンレスボトルなどで知られる「象印」。 創業から100年以上にわたり、生活者の視点から食と暮らしに役立つ製品を提案している。
ステンレス真空二重魔法瓶構造のタンブラーは保冷・保温力が高い。回転開閉する蓋は外さずに飲むことができ、分解がしやすいためお手入れも簡単で清潔に保てる。容量は450ml。
アメリカ発のアウトドアブランド「YETI」。“アウトドアに本当に必要な機能性・耐久性”を追求し、素材とデザインにこだわったアイテムを開発している。
特徴的なのが磁力で飲み口を開閉できる蓋。開け閉めがしやすく、熱や冷たさを逃さない。ホコリやごみが入る心配もないので、オフィスや街歩きはもちろん、アウトドアでも安心だ。真空断熱のダブルウォール構造で保温性もばっちり。容量は約590ml。
1974年創業、長年にわたりさまざまな商品を提供し続けている「ドウシシャ」。こちらはコンビニのコーヒーマシンに直接入れて注ぐことができるというコンセプトのアイテム。ステンレス製の真空二重構造で保温効果もばっちり。開閉式の蓋は開けやすく、気密性も高い。一般的な車のドリンクホルダーに対応したサイズで、ドライブのお供にも活躍してくれる。容量は360ml。
日々の暮らしの中で、できるだけごみを減らしたいと思う人は、無理なくできることからひとつずつ取り入れていくのがおすすめ。ブランドや素材、デザインなど、自分好みのタンブラーを見つければ、毎日のちょっとした休息時間も華やかになる。まずは使い捨てカップのごみ削減を目標に、マイタンブラーを使う選択をしてみてはいかがだろう。
使い捨てカップは、世界中、日本中で想像を超える量が廃棄されている。一人でも多くの人が使い捨てカップの代わりにマイタンブラーを生活に取り入れる。ささやかでもその積み重ねが、大きなインパクトへとつながっていく。
※1使い捨てカップの現状|国際環境NGO グリーンピース・ジャパン
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