海洋プラスチックごみについて、美しいイラストとわかりやすい言葉で描いたアメリカ発の絵本『プラスチックのうみ』が日本上陸。環境問題に興味を抱く小学5年生が翻訳に参加した。7月からレジ袋有料化がスタートし、世界各国が海洋プラスチック問題に取り組み始めているいま、読んでほしい一冊だ。
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いよいよ7月1日からレジ袋有料化が本格的に始まる。大手スーパーやドラッグストアの多くがすでに導入している有料化に、7月からはローソン、セブン-イレブン、ファミリーマートの大手コンビニ3社が加わる。日本政府が義務付けるプラスチック製買い物袋の有料化に対応したものだ。
プラスチックごみは世界中で大きな問題になっており、昨年6月のG20大阪サミットで各国が2050年までに「海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す」というビジョンを共有した。今回の取り組みが環境改善にどれだけ役立つか注目を集めている。
結果を出せるかどうかの鍵となるのは消費者である私たちがどれだけ当事者意識を持って取り組めるかだろう。老若男女が環境について考えなければならないいま、家族や親子で読んでほしい絵本が話題を集めている。
アメリカで刊行された『プラスチックのうみ』という絵本。この絵本は「人間が出したプラスチックごみがどのように海を汚し、生き物を苦しめているのか」「きれいな海を取り戻すにはどうしたらいいか」を美しいイラストとわかりやすい言葉で伝えている。
この本の日本語訳に参加したのが、環境問題に関心を抱く小学校5年生の男の子だということも注目されている。
プラスチックが急速に普及したのは1950年頃。いろいろな形の製品を安くつくることができる性質から、さまざまな製品に使われプラスチックなしでは生きるのが難しい時代をつくり上げてしまった。
しかし、入り口の生産が便利なのとは裏腹に、出口である処分には大きな問題をはらんでいる。自然界に出たプラスチックごみは、紫外線や水にさらされマイクロプラスチックと呼ばれる小さな粒になっていく。植物のように微生物に分解されて自然に還ることはなく、半永久的に存在しつづけるのだ。
近年、海洋プラスチックごみの問題に関する関心が高まった理由のひとつが、このマイクロプラスチック。海を漂うマイクロプラスチックを魚が飲み込むと、食物連鎖を通してさまざまな動物に取り込まれてしまう。これは当たり前だが人間も含まれる。
アメリカについで、世界で2番目にプラスチックごみを出しているのは我が国日本。他人事とは言えない事態をどれだけの日本人が実感できているだろうか。
『プラスチックのうみ』
1,500円
作/ミシェル・ロード 絵/ジュリア・ブラットマン 訳/川上拓土
問い合わせ先/小学館
https://www.shogakukan.co.jp/
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