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「買い物ではなく、アウトドア活動を楽しもう」。そう呼びかけているのが、アメリカの老舗アウトドアブランド「REI(アールイーエー)」だ。同社では毎年ブラックフライデーは休業することを宣言。16,000人以上の従業員には有給を与える。
神本萌 |Moe Kamimoto
フリーランスライター
大学時代に南アジア文化を学んだことをきっかけに、環境や人権の問題に関心を持つ。それ以降、より自分と地球にやさしい暮らしを目指して勉強中。趣味は写真。
米アウトドアブランド「REI」が、ブラックフライデーは恒久的に全店舗を休業すると発表した。アメリカに179店舗を展開し、米国最大ともいわれるアウトドアブランドの決断は、世界で話題となっている。
同社は2015年以降、ブラックフライデーに休業する「Opt Outside運動」を行っている。セールが大量消費を加速させていると考え、ブラックフライデーに買い物ではなくアウトドア活動を楽しむよう呼びかける運動だ。
2022年から、店舗だけではなく、配送センターやコールセンター、本社もすべて休業にする。顧客はオンラインショップでの注文はできるが、注文の処理や発送は翌日以降となる。
さらに同社では、2022年からこの「Opt Outside運動」を会社の福利厚生の一環とし、16,000人以上の従業員に有給を付与。同ブランドが抱える2,150万人の会員にも運動への参加を呼びかけている。
2015年の開始時、「Opt Outside運動」は画期的なアイデアとして取り上げられた。InstagramやFacebookでは「#OptOutside」というタグで、多くの人がアウトドア活動の写真を投稿し、今も社会的ムーブメントになっている。
さらに2022年は、アメリカ・ロードアイランド州政府が「Opt Outside運動」に参加することを表明。環境管理課のディレクターを務めるテリー・グレイ氏は次のように話している。
「ロードアイランド州には歴史ある公園やレクリエーションエリアが多く、住民や旅行者が自然と触れ合うには最適な場所。ロードアイランドの人々がOptOutside運動をブラックフライデーの伝統の一部にしてくれることを願っている」
ブラックフライデーのような大規模セールは、ワクワクするイベントのひとつかもしれない。しかし、安いからという理由で、本当は不要なものなのについ買い過ぎてしまうこともあるのではないだろうか。
ブラックフライデーに反対し、サステナブルな消費のあり方を訴えるムーブメントは「グリーンフライデー」と呼ばれ、世界的に広まってきている。今年のブラックフライデーは、自分の消費のあり方を考え直すきっかけにしてみよう。
※参考
REI Co-op Announces Permanent Commitment to #OptOutside Movement: Closing Stores on Black Friday … For Good|REI Newsroom
DEM, REI Co-op Invite Rhode Islanders to #OptOutside on Black Friday|EIN Presswire
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