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世界中で大規模なセールが実施されるブラックフライデー。イギリスのファッションブランド「Teemill」は、古着の返品を推奨する「#TakeBackFriday キャンペーン」を実施し、着なくなった洋服の回収を呼びかけている。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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アメリカ発祥の年に一度のセールイベント、ブラックフライデー。毎年11月の第4木曜日に行われる。小売店がしのぎを削って安売りを実施するこの日に、真逆のキャンペーンを展開するブランドがある。それがイギリスの循環型ファッションブランド「Teemill」だ。
同ブランドは、ブラックフライデーに加熱する消費行動を逆転させる目的で「#TakeBackFriday」と冠したキャンペーンを展開する。着古したTeemill製の衣類を返品すると、次回以降のTeemillでの買い物で使える5ポンド(約820円)のクレジットをもらえるという内容だ。その返品された古着は同ブランドの仕組みで、再び新たな製品へリメイクされるという。
自らを世界最大の循環経済専用プラットフォームとうたうTeemill。持続可能な衣類の生産を実現するために、オーガニックで栽培された天然素材を用い、再生可能エネルギーを使用して、何度でもリメイクできるようにデザイン。しかも、廃棄物を出さないために、すべての注文をオンデマンドで生産している。
また販売されるすべての製品ラベルにQRコードが付いており、着古したり着用しなくなったりした製品はそのQRコードをスキャンして返送できる。廃棄物を出さない、「Remill」と名付けられた合理的な仕組みを採用している。
役目を終えた製品は、再び新たな製品につくり直されるため、廃棄物を大幅に削減できる循環型の生産体制が敷かれているのだ。
イギリスで2021年のブラックフライデーに消費された金額は94億ポンド(約1.5兆円)にも及ぶそうだ。しかし、ブラックフライデーに購入された商品のおよそ8割は、埋立地や焼却場で処分されているとも言われる。
Teemillの共同創業者のマート・ドレイク-ナイトは「ブラックフライデーは、廃棄することが私たちの世界にいかに浸透しているかを示している。これは気候変動を加速させ、自然を破壊する」と警鐘を鳴らしている。
ブラックフライデーのようなセールは、大きな経済効果を生み出す一方で、本当は必要ではないものでも、安さに乗じて購入しているケースもあるだろう。それが結果として、廃棄物を増やし自然にダメージをもたらしている事実にも、目を向けるべきだ。
こうした無駄を減らすためにも、消費者である私たち一人ひとりが「安さ」を購入基準にするのではなく、持続可能性や倫理面にも配慮しながら、「本当に必要なもの」だけを選ぶことが大切なのではないだろうか。
※参考
Teemill
This British brand is paying people to reject Black Friday this year (yes, really)|STYLIST
Teemill is paying people to send its used-clothing back this Black Friday|Circular
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