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子どもの通学にはスクールバスの利用や親の送り迎えが一般的な欧米で、子どもたちが自転車で集団登校する「バイク・バス」。スペインから始まり、アメリカ、カナダなど世界各地に広がっている。環境にやさしい交通手段に気づくきっかけになりそうだ。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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子どもだけで徒歩や公共交通機関を使って登校する日本とは違い、欧米での通学ではスクールバスの利用や、親が自動車で学校まで送り迎えするのが一般的だ。そんな欧米で今人気を博しているのが「バイク・バス」または「bicibús(ビシバス)」と呼ばれる通学方法だ。
2021年9月にスペイン・バルセロナのアシャンプラ地区で開始されたと言われるもので、子どもたちが自転車に乗って集団で通学する取り組みだ。子どもと一緒に参加して、自転車で出勤する保護者もいるという。
アシャンプラのバイク・バスは毎週金曜日のみの週1回。午前8時になると100人以上の子どもたちが自転車やスクーター、スケートなどに乗り学校に向かう。自動車は規制され、集団の前後左右を警察がエスコート。途中で3つの停留所を経由しながら多くの子どもたちが参加する流れだ。
安全に、かつ健康的に通学できるとあって、この地域の家庭にバイク・バスはとても好評。「金曜日の朝は、自転車に乗るのが楽しみで早く目が覚めてしまう」という子どももいるとか。
自転車通学・通勤のコミュニティーの構築に加えて、子どもが環境にやさしい交通手段に目を向けるきっかけにもなっているようだ。
このバイク・バスは「クールな通学方法」として、スペインのほか、アメリカやカナダでも広がりを見せている。
例えば、アメリカのサンフランシスコ。同地域出身のランナー、ルーク・ボーンハイマーが2021年12月より、「SF(サンフランシスコ)バイク・バス」の共同運営をスタート。自転車と自動車の共有道路である「スロー ストリート」で行われ、100人以上の子どもと家族が利用しているそうだ。
また、アメリカのポートランドでは、1人の体育教師が声をかけたことからバイク・バスを開始。その体育教師が黄色の安全ベストを着用し、スピーカーから音楽を流しながら、子どもたちを引率している。参加者は、はじめは75人ほどだったが、今では150~190人の規模になっているという。
子どもたちが安全に自転車に乗って自宅や学校までたどり着くためには、自治体や学校関係者、保護者たちの協力は欠かせないだろう。しかし、地球環境のために公共交通機関や自転車などの利用がますます必要になるこれからの時代は、子どもが小さい頃から自転車を利用することは、大きなメリットとなりそうだ。
それに、子どもたちが笑顔で楽しそうに自転車に乗っている姿も印象的。こんな楽しいバイク・バスの輪が世界にもっと広がっていくかもしれない。
※参考
It started with 5 families. Now hundreds are biking to school together in Barcelona|npr
‘Bike buses’ catch on as a cool way to commute to school. What are they?|Today
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