イタリアのアパレルブランドグループ「Ermenegildo Zegna」グループは2022年サステナブルファッションアワードにおいて、オアジ・ゼニアが生物多様性保全賞を受賞したことを発表。さらに、トレーサビリティの実現に取り組むオアジカシミヤコレクションを発表した。
ELEMINIST Press
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イタリアのアパレルブランドグループである「Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)」グループは、9月25日にミラノのスカラ座で開催されたCamera Nazionale della Moda Italiana(イタリアファッション協会、以下 CNMI)の2022年サステナブルファッションアワードにおいて、オアジ・ゼニアが生物多様性保全賞を受賞したことを発表した。
1993年に開設されたオアジ・ゼニアは北イタリアのビエッラアルプスに位置する自然保護区で、総面積は約100km²に達する。社会問題や環境問題に対する意識向上のユニークなモデルであるだけでなく、人類と環境との間に協調と調和の精神を育むことを目指す価値観の宿る場所でもある。ゼニア一族は1世紀以上にわたり、オアジ・ゼニアの再生と保護に努めてきた。
オアジ・ゼニアは一族が会社と遺産を築く礎となった価値観の発祥の地でもある。オアジ・ゼニアの維持と活用を可能にしているのはErmenegildo Zegnaグループによる支援だ。
ゼニア一族を代表し、Ermenegildo Zegnaグループの会長兼CEOであるジルド・ゼニア氏が今回の栄えある賞を受け取った。ゼニアは引き続き、現在のグループのサステナビリティの概念に沿った長期的なプロジェクトを通じて、創業者が最初に生み出したビジョンを育んでいくとしている。
CNMI 生物多様性保全賞で評価されたのは、創業者エルメネジルド・ゼニア氏が創り上げた自然の生態系を育み、さらに大きくしようと努めているグループの継続的な活動だ。エルメネジルド氏がこの生態系の創出に着手したのは、サステナビリティや環境保護という考え方が広く受け入れられるようになる遥か以前、20世紀初頭のこと。
自分が製品に求める品質を達成するには、自然や人々との建設的な関係を築くことが不可欠であると気付いたエルメネジルド・ゼニア氏は、不毛の山に50万本の木々を植え、オアジ・ゼニアを横断する新しい国道232号線を建設し、住宅、学校、病院、そして地域の交流空間を周辺のコミュニティに提供して、誰もが享受できるようにした。
オアジ・ゼニアは現在、自然の森林に覆われている。この森林は地域の大部分を埋め尽くし、いまも成長を続けている。2022年、地域社会の森林管理および生態系サービスに関するFSC®規格の国際認証を受けたオアジ・ゼニアが採用しているのは持続可能な育林管理方法だ。
この方法により、森林のCO2吸収能力が向上するだけでなく、暴風雨や干ばつ、火災、病害虫、疫病などの困難に対する耐性が高まることが証明されている。自然林が存在することで、浸食や地滑り、雪崩から土壌が守られ、ひいては環境ツーリズムやレクリエーション、文化イベントなどの積極的なビジネスチャンスが切り拓かれる。
気候変動や、以前はピエモンテ地域で見られなかった植物病の発生など、オアジ・ゼニアが新たな脅威に見舞われるなか、このプロジェクトが自然生息地の回復力を強化する上で重要なステップとなるとともに、Ermenegildo Zegnaグループが取り組みを継続するための新たなエネルギーとなって、地域社会、ゼニア一族、そしてErmenegildo Zegnaグループの中心に位置する、この唯一無二の素晴らしい自然を維持する力を与えてくれる。
創業者が心に描いたオアジ・ゼニアのビジョンはいまも生き続けている。そして、そのすべてを包含する精神を具現化したのが、オアジカシミヤコレクションだ。
コレクション全体で使用されるカシミヤは、2024年までの完全なトレーサビリティ認定実現に取り組んでいる。オアジカシミヤはまさに「トレーサビリティへの道(Our Road to Traceability)」におけるもっとも重要な進化し続ける取り組みだ。
情熱的で勤勉な熟練職人が選ぶのは、イタリアで生産された世界最高の素材だけ。これもまた、何世代も前に始まり、現在も受け継がれている営みだ。原毛から衣服まで、自然と調和しながら未来と自然への責任ある調達への取り組みを強化し続け、自然から生まれたオアジカシミヤは、美の精神に基づいた至極の産物と言える。
ゼニアの垂直統合ビジネスモデルでは、最初から最後まで、ゼニアが生み出す商品のアカウンタビリティーを果たすことを可能にした。これは、ゼニアを手にする顧客だけでなく未来への責任、つまりチェーン全体の尊重だと言える。
こうしてすべての製品に正しい識別情報が付与され、さまざまな価値が識別特性としていかに深く位置付けられているかが証明されたのだ。実際にトレーサビリティへの取り組みを証明するものとして、カシミヤ農場から店舗まで、 オアジカシミヤコレクションが辿る全行程を示すQRコードをすべての衣類に同封し、キャンペーンが撮影されたオアジ・ゼニアの風景のなかへとお客様を連れ出す。
未来の世代のウェルビーイングを守り、人間と環境の間に調和を生み出す方法として、自然に還元し、配慮すること。オアジ・ゼニアを形づくるこうした人間主義的価値観は、いまもオアジカシミヤコレクションを通じてインスピレーションを人々に与え続けている。
オアジカシミヤはゼニアにとっての「トレーサビリティ」と「アカウンタビリティー」のトレードマークになろうとしている。 そしてその目指す先にあるのは、世界の遠く離れた農場からイタリアでの革新的な製造まで、このカシミヤが責任を持って調達されることだとしている。
お問い合わせ先/Ermenegildo Zegnaグループ
https://www.zegnagroup.com/ja/
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