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ヴァージン・アトランティック航空は、性自認に関するポリシーを改訂。性別に関わらず、スカートやパンツ、赤とバーガンディのユニフォームの中から、自身に最適な制服を選べるようになった。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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イギリスのヴァージン・アトランティック航空は、性別による制服の着用義務を廃止する「ジェンダー・ニュートラル・ユニフォーム・ポリシー」を発表した。
これにより、従業員は性別に関わらず、自身のアイデンティティを最適に表現できる制服を自由に選択できるようになった。同社では、スカート、パンツなどの制服があり、赤色とワインレッドのカラーが用意されているが、性自認や性表現を問わず、自分に合った制服を着用できる。
また自分自身の性自認を示す代名詞バッジを導入。「She」「He」など、自分について呼んでほしい代名詞を、バッジにつけて表現できる。
さらに、性転換に関連する治療のための休暇、自分が認識する性別にあわせて更衣室やシャワー施設を使えるといった内容も本ポリシーに含まれる。
今回の改訂では、従業員だけでなく顧客に対する取り組みも含まれる。例えば、パスポートの性別を「X」や「U」など「ジェンダーニュートラル」と選択する顧客に対し、発券システムをアップデート。パスポートと一致する性で旅行でチケットを受け取り、旅行できるという。
ヴァージン・アトランティック航空のリリースによると、イギリス人の25%が職場で本来の自分を隠すことに対してプレッシャーを感じ、13%が本来の自分らしさを表現したいと願うことに不快感を抱いているという。
こうした葛藤やジレンマから、「自分が望まない着心地の悪い服を着用している」と答えた人は15%、「髪型やメイクを周りに合わせて変える」人は22%、「自分の性格の一部を隠す」と答えた人は38%もいる。
そこで同社では、これまで、メイクの有無やハイヒール着用について自由に選択できるようにし、制服から見える部分にタトゥーを入れることを許めるといった、ポリシーの改訂を行ってきた。
同社の調査によると、個性を尊重することで従業員の幸福感が65%上がり、精神的な健康についても49%向上する。それにより、顧客によりポジティブな経験を提供できるとわかったという。
ヴァージン・アトランティック航空のチーフ コマーシャル オフィサーであるユハ・ヤルヴィネン氏は、以下のように述べている。
「従業員の個性を受け入れ、職場であるがままの自分でいられるようにすることが非常に大事。そのためにも、彼ら自身が自分にもっとも適したユニフォームを着用できるようにしたいと考えている」
今回のヴァージン・アトランティック航空の発表は、航空業界だけでなく社会全体にメリットをもたらすものだ。無意識のうちにジェンダーという枠に当てはめていた固定概念がないか見直し、誰もが生きやすい社会や職場づくりについて考えるきっかけになるだろう。
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