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韓国はマウスやモルモットなどを使った毒性試験を不要にした。この動きは、2016年に発表された化粧品の動物実験禁止に続くものである。今後はEU、アメリカ、カナダなどと同様に、医薬品やワクチンの開発において、動物への異常毒性試験は行われなくなる。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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韓国食品医薬品安全処は、マウスやモルモットなどの動物を用いて行われている毒性試験を廃止した。
異常毒性試験は、医薬品やワクチンに含まれる刺激物や汚染物質を見つける目的で、1950年代から実施されてきた。とくに、大量生産され多数の消費者にわたる商品の品質管理の仕組みで、生きたマウスやモルモットを用いてその影響を調べていくものだ。
韓国では、2016年に化粧品の動物実験を禁止する法案を可決した背景がある。ところが、この禁止令は動物実験の継続を可能にする抜け穴を残していた。2019年の報告書で、2,106匹の動物が「毒性およびその他の安全性評価」で苦しんでいると伝えられ、24,353匹の動物が「工業化学物質関連法」のもとで試験対象として使用されていたことが明るみになったのだ。
そのような事実もあり、韓国の消費者の多くが動物保護の強化を望んできた。こうした世論も後押しとなり、2022年2月には化粧品法が改正され、動物実験を行った化粧品(成分を含む)の流通・販売が禁止された。
代替手段が容易でないと認められた場合に限り、動物実験を認める例外はあるが、今回の毒性試験の廃止決定はこの化粧品改正法に続くものだ。
以前は、化粧品や医薬品の開発で当たり前に行われていた動物実験だが、動物愛護の観点から、世界の認識が大きく変化している。EUでは140万人を超える市民が、化粧品業界における動物実験の全面禁止を求める欧州市民イニシアチブ(ECI)に署名した。
世界保健機関(WHO)は2018年、異常毒性試験の廃止を推奨し、EU、アメリカ、カナダなどの国は異常毒性試験を廃止。それに伴って、多くの企業が動物を使わない代替法を開発している。
非人道的かつ非科学的な動物実験を禁止する国が増えるなか、日本では動物実験の廃止には至っていない。最先端の技術力を活かし、動物の命を犠牲にしない代替方法の開発と動物実験を求めないシステムづくりが早急に望まれる。
※参考
South Korea to end unnecessary animal test|Humane Society International
South Korea Will No Longer Require Toxicity Tests On Mice And Guinea Pigs|Plant Based News
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