Photo by Barbara Kieboom
アウトドア企業の「パタゴニア」がオランダにリペアセンターを新設した。自社製品だけではなく、賛同し加盟する他ブランドの製品の修理も受け付ける。また、アパレル業界への就職支援も行なうなど、服の修理だけではないユニークな取り組みが注目を集めている。
神本萌 |Moe Kamimoto
フリーランスライター
大学時代に南アジア文化を学んだことをきっかけに、環境や人権の問題に関心を持つ。それ以降、より自分と地球にやさしい暮らしを目指して勉強中。趣味は写真。
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アウトドア企業の「パタゴニア」が、オランダ・アムステルダムに「ユナイテッド・リペア・センター(United Repair Center)」を開設した。
パタゴニアは、1970年代から自社製品の修理サービスを提供しており、世界各地にリペアセンターを持つ。日本国内にも2カ所のリペアセンターがあるため、利用したことのある人もいるだろう。
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ユナイテッド・リペア・センターは、アパレル業界の人材育成や就職支援を行うオランダ企業「Makers Unite(メーカーズ・ユナイト)」と共同で運営されている。
同リペアセンターは、他のリペアセンターとはひと味違う。服を修理しながら長く着ることを新たな常識にすべく、消費者だけでなくアパレルブランドにもアプローチしているという。その証拠に、パタゴニアだけではなく、活動に賛同する他ブランドの製品の修理も受け付けている。
すでに、オランダのアパレルブランド「Scotch&Soda(スコッチ&ソーダ)」は活動への参加を表明。賛同するブランドがさらに増えれば、服を修理するという選択肢がより多くの人にとって身近になるだろう。
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同リペアセンターの目標は、年間で30万着の修理。これが実現できれば、約453tの繊維廃棄物の削減につながるという。
修理の依頼は、ユナイテッド・リペア・センターの加盟ブランドに連絡するだけと、簡単だ。その後、加盟ブランドがリペアセンターに対象の製品を送り、修理が終わったら自宅に届けられる。
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ユナイテッド・リペア・センターは、アパレルの大量廃棄問題だけではなく、若い世代の人材育成と就職支援にも取り組む点がユニークだ。
2022年9月からは、服づくりの技術を学べるトレーニングプログラムを提供する「ユナイテッド・リペア・センター・アカデミー」を開校。プログラム終了後には主要アパレルブランドで働けるよう就職をサポートし、年間で少なくとも300人を対象にトレーニングを行う予定だ。
このほかに、服の修理にまつわるワークショップの開催も検討中だそう。服修理の市場を大きくしながら、消費者の意識も変えることができそうだ。
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トレンドの服を安く買って、ダメになったら捨てる。多くの人にとって、これが当たり前になっているかもしれない。
しかし、一着を修理しながら長く愛用するだけで、環境の負荷を減らすことができる。大量生産・大量廃棄の常識を変えるためにも、捨てる前に一度立ち止まって考えてみよう。
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