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スコットランドで、自治体や教育機関が生理用品を無償提供する法律が施行された。専用アプリで、近隣の提供場所と製品の確認もできるという。世界的な問題である「生理の貧困」を解決すべく、周辺国や地域もこれに続く意向を示している。
神本萌 |Moe Kamimoto
フリーランスライター
大学時代に南アジア文化を学んだことをきっかけに、環境や人権の問題に関心を持つ。それ以降、より自分と地球にやさしい暮らしを目指して勉強中。趣味は写真。
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スコットランドで、生理用品の無償提供を義務化する法律が施行された。自治体や教育機関などの公的機関は、必要とする人に生理用品を提供しなければならない。生理用品の無償配布は各国で行われているが、法律で義務化されたのはこれが世界初だ。
労働党のモニカ・レノン議員は、2016年から生理用品を無償で提供すべきだと訴え続けてきた。2019年4月にレノン議員が「生理用品法」を議会に提案し、2020年11月に全会一致で可決。2022年8月15日から施行されることになったのだ。
スコットランド政府は、2018年に520万ポンド(約8億4,000万円)、2019年に400万ポンド(約6億4,500万円)の予算を確保し、生理用品の無償配布を実施していた。
今後は、学校、図書館、公共ジム、プール、薬局、病院などで生理用品が提供される予定。「PickupMyPeriod(ピックアップマイピリオド)」というモバイルアプリを使えば、提供場所と製品も簡単に確認できる。希望があれば宅配も可能だという。
経済的な理由で生理用品を買うことのできない「生理の貧困」は世界的な問題だ。プラン・インターナショナルU.K.の2020年の調査によると、英国の14歳から21歳の女性で、生理用品の入手や購入に苦労している人は約3分の1にのぼる。生理用品にかかるコストは1カ月8ポンド(約1,300円)になるという。
そのため、スコットランドの大胆な決断は、他の地域や国から注目を集めている。ロンドンのカーン市長はツイッターでこの法案をたたえ、アイルランドのカーニー上院議員は「アイルランドもこれに続くべき」と主張している。
イギリス領チャネル諸島のジャージー島では、早ければ2023年1月には公共施設での生理用品の無償提供を実現したいと取り組みが進められている。同地域では9月から、学校ででの生理用品無償提供を試験的に導入する予定だという。
日本でも「生理の貧困」は問題となっており、一部の教育機関や自治体が生理用品の無償提供を行っている。今回のスコットランドの法律が、日本の取り組みも後押ししてくれるかもしれない。
※参考
Scotland becomes first country to make access to free period products a legal right|Women's Agenda
SENATOR CALLS FOR GOVERNMENT TO INTRODUCE FREE PERIOD PRODUCTS|Laois Nationalist
Sanitary products to be free by January?|Jersey Evening Post
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