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イギリス最大規模の高級ファッションレンタルサービス「MY WARDROBE HQ」。グッチ、プラダ、シャネル、サンローランと世界の名だたる高級ブランドが利用しており、先日はトミーヒルフィガーも加わった。持続可能な方法でファッション市場を牽引する同サービスについて紹介する。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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パンデミックの影響を受けて激変したファッション観。購入するほかに、“レンタル“という選択肢が一般的になってきている。また、フランスでは売れ残った衣料品の廃棄が禁止されるなど、アパレル業界の構造やあり方を見直す動きもある。こうした潮流を受けて、廃棄衣類を減らし循環型エコノミーを目指す洋服のレンタルサービス市場が世界中で盛況だ。
イギリス・ロンドンに拠点を置くファッションレンタルマーケットプレイス「MY WARDROBE HQ(マイ・ワードローブ HQ、※以下 MWHQ)。利用者は、ラグジュアリーなデザイナーズブランド服やバッグ、アクセサリーをレンタルできる、持続可能なソーシャルショッピングプラットフォームである。
2019年11月にサービスを開始して以来、グッチ、プラダ、シャネル、サンローラン、アニヤ・ハインドマーチ、ステラ・マッカートニー、 ジバンシィといった500以上におよぶ世界トップクラスのブランドのアイテムが揃う。
レンタル期間は最短4日から最長14日。レンタルではなく、定価の半額程度で購入することもできる。たとえば、バーバリーの定番トレンチコートの場合、4日間のレンタルなら1日22ポンド(約3,600円)、中古品の購入は645ポンド(約10万円)となる。デリバリーはヨーロッパ全土が対象で、自宅にあるラグジュアリーブランドのアイテムを貸し出すことも可能だ。
そんな躍進中のMWHQと先日、アメリカ発のアパレルブランド、トミーヒルフィガーが提携。「Wastes Nothing and Welcomes All(何もムダにしない、すべてを歓迎する)」という独自の使命にもとづき、同ブランドで初となるレンタルサービスを開始。循環型ファッションの創出を目指す。
対象商品には、レディスウェア、靴、アクセサリーがある。今回の提携は6ヶ月間の予定で、循環型ビジネスモデルを探求する上での有意義なステップのひとつだという。この試験的な試みを経て、レンタルや中古品市場のニーズを探り、今後の戦略を立てていくようだ。
レンタルファッションは、由緒あるブランドにとって大きな賭けだ。ブランドの特別感や希少性を損なう懸念もある。一方、参入するリスクよりも、参入しないことによる機会損失の方が大きいと考えるブランドも多い。シェアリングを通じたユーザー体験が、ブランドへの親近感や新たな購入手段の創出という付加価値を生み出すためだろう。
MWHQのようなレンタルサービスを活用したビジネスモデルは、今後主流となるかもしれない。
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