【ごみゼロ月間】渋谷駅ごみ拾いファッションスナップ2022

ごみ拾い中の参加者たち

ELEMINISTでは、5月30日の「ごみゼロの日」に総勢50名ほどでごみ拾いを実施。参加者9名にごみ拾いを楽しむためのファッションを聞いた。まずは、渋谷駅周辺のごみ拾いの様子からお届けしよう。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

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2022.06.22

街のごみ拾いで、海を守る

現在、1億5,000万tものプラスチックごみが世界の海を漂っている。その大半が雨や風によって陸地から運ばれてきた生活ごみだ。ポイ捨てされたごみは生態系を傷つけ、海洋酸性化やプラスチック汚染によって海洋環境を蝕んでいく。

豊かな地球を守るには、街から海へと流出するごみをひとつでも多く減らさなければならない。そこでELEMINISTでは、昨年に引き続き5月30日の「ごみゼロの日」に総勢50名ほどでごみ拾いを実施した。

ごみ拾いというとボランティアや義務感で行うイメージが強いが、このイベントで大切にしたのは“楽しむ”ことだ。ごみ拾いに合わせたアイテムを身にまとった参加者たちは、この日をどのように楽しんだのだろうか。スナップ写真とともにその声をまとめた。

まずは、ごみのない世界を目指すソーシャルプロジェクト「530アクション(ごみゼロアクション)」との共同で実施した渋谷駅周辺のごみ拾いの模様をレポート形式でお届けしよう。

捨てられたごみはどこへ行く

ごみ拾いに向かう参加者の列

Photo by Kousuke Shimasaki

ごみ拾いに参加したのは、ミュージシャン・新羅慎二(若旦那)さんやDEPTオーナーのeriさん、サンシャインジュース代表のコウ ノリさんら約30名。宮益坂をスタートした一行はセンター街を通り、道玄坂へと向かった。

渋谷駅東口は再開発による環境美化が進んでいるせいか、ポイ捨てごみはさほど目立たない。しかしJRの高架下をくぐり、渋谷の中心部が近づくにつれて徐々に雲行きが怪しくなる。

側溝に挟まったタバコの吸い殻

Photo by Kousuke Shimasaki

捨てられた缶やビン

Photo by Kousuke Shimasaki

とくに目についたのは、ビン・缶・ペットボトル、タバコの吸い殻だ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で路上飲みが増えたのが原因だろう。堂々と道端に放置されている。渋谷をはじめ国内外の清掃活動を行う認定NPO法人「グリーンバード」代表の福田圭祐さんは、「歩行者の目線からはきれいな街に見えますが、足元や植え込みに目を落とすとごみの存在に気づきます」と眉をひそめる。

道玄坂上へと歩みを進めると、その状況はさらにひどくなる。人気の少ない脇道で毎夜宴が開催されているのか、お酒の缶やビンが至るところに散乱している。もちろんタバコの吸い殻は言うまでもない。紙巻タバコを吸える飲食店が少なくなったことも、ポイ捨てに影響しているのかもしれない。

夜中までお酒を飲みながらタバコを吸える場所といえば、路上。後片付けはどこかの誰かにお任せ。おおよそそんなところだろう。人任せと無関心で、道路は荒れていく。

トングでごみを拾う参加者

Photo by Kousuke Shimasaki

得体の知れないごみも多い

壁面に並べられた小瓶

Photo by Kousuke Shimasaki

壁面に並べられた小瓶

ごみが捨てられる場所を観察していると、人間の思考が透けて見えてくる。植樹帯の奥に隠されるように捨てられているごみも大量にあるのだ。なるべく人目のつかない場所に置こうとするのは、罪の意識や後ろめたさがあるからだろう。

花壇のごみ拾いをする参加者たち

Photo by Kousuke Shimasaki

側溝に捨てられた吸い殻の山

Photo by Kousuke Shimasaki

側溝に捨てられた吸い殻の山

街中でポイ捨てをする人でも、友人の家の床に堂々とごみを捨てはしないはず。自分の行いが顔の見える誰かの迷惑になるからだ。では、街中に捨てるのは誰の迷惑になるのか。

その対象が顔の見える一個人ではなく、集団や自治体、地球などと抽象的になればなればなるほど、罪の意識は薄れていく。自分が捨てたごみと誰かが捨てたごみの特定もできない。自分の慰めのためでしかない、インスタントな罪悪感だ。

自動販売機の裏に捨てられたごみ

Photo by Kousuke Shimasaki

自動販売機の裏に捨てられたごみ

集団心理がポイ捨てに拍車をかけているのは間違いない。ごみ拾いに参加してくれた「一般社団法人渋谷区SDGs協会」理事の佐々木つぐみさんは、「ごみがひとつでも捨てられていると、そこに新たなごみがどんどん捨てられていく」と話す。

はじまりは、一人の何気ない行動がきっかけだ。まさに「赤信号みんなで渡れば怖くない」の心理と言えるだろう。日頃から子どもたちと一緒に渋谷区の清掃活動を行う佐々木さんは、ごみを通して捨てる人の心が見えてくるという。

ごみ拾いを行う子どもたち

Photo by Kousuke Shimasaki

渋谷駅周辺のごみ拾いに参加している小学生の二人。駐車用のポールのなかにもごみが押し込められていると教えてくれた

作業に要した時間はおよそ2時間ほどだったが、最終的にはごみ袋10袋以上のごみが集まった。もちろん、すべてのごみを拾いきれたわけではない。センター街の一角には粗大ごみが山積みになった空き地があり、植樹帯には人の目に触れないごみが山ほどあるだろう。

ごみの山

Photo by Kousuke Shimasaki

私有地に不法投棄されたごみの山

「拾って満足するのではなく、ごみを出さないような生活スタイルにシフトするのが大切だと思います」と語っていたのは、ごみ拾い用トング「MAGIP」を開発した能勢直征さん。問題の根本解決に向けて、今日のごみ拾いは参加者一人ひとりがやるべきことを考える機会になったはずだ。

地面に集められたごみ袋

Photo by Kousuke Shimasaki

前述の福田さんは、この日のごみ拾いをこう締めくくった。「極論、偽善と思われてもいいんです。やらないよりやったほうがいいし、参加理由も何だっていい。かっこいいから、楽しそうだから、おしゃれだから……今日の取り組みを通して、『ごみ拾いって、ハードルが低いものなんだ』と感じてもらえたらうれしいですね」。

ごみ拾い中の新羅慎二さん

Photo by 一般社団法人渋谷区SDGs協会

参加者たちは何を思ったのか?

ここからは、参加者たちの感想を紹介しよう。彼ら彼女らが感じた楽しさや気づきとは。ごみ拾いファッションのこだわりとともに聞いた。

DEPTオーナーのeriさん

Photo by Kousuke Shimasaki

eriさん(DEPTオーナー)

eriさん:花壇のなかに隠されるようにごみが落ちているのを見ると、ただごみが落ちているのではなく、私たち人間が意図的に捨てているという背景が見えてきて、すごく心が痛みました。ごみ箱が少ないこともひとつの原因だとは思いますが、だからといってそのへんに捨てていいわけではない。

私たちがごみのある風景を肯定してしまっている部分も問題だと思います。ごみを捨てないというマインドの形成、回収システム、資源への再利用など、一連の流れがワークしないと解決しない問題だなと改めて感じました。

まずは一度ごみ拾いに参加してみて、その気持ちよさを知ってほしいですね。やってみないとわからない景色があります。環境のため、地球のため、自分のために何かやりたいと思っている人にとって、ごみ拾いは手軽で効果的なアクションだと思います。

中川裕美さん(会社員)

Photo by Kousuke Shimasaki

中川裕美さん(会社員)

中川裕美さん:渋谷のごみ拾いは初めてでしたが、思っていた以上にごみが落ちていました。花壇のなかにペットボトルや缶が隠れていたり、ショックでしたね。意識を向けてみると、至るところにごみがある。ふだんからごみへの意識をもつことが大切だと思います。

フォトグラファーのChisakoさん

Photo by Kousuke Shimasaki

Chisakoさん(フォトグラファー)

Chisakoさん:ビーチクリーンのイベントには積極的に参加していましたが、渋谷のごみ拾いは初めて。カフェのテイクアウトカップとか、ありえない量のごみが落ちていてびっくりしました。ほんとうにごみ箱みたいでした。

ごみが落ちているのはよくないけど、ごみを拾うことは楽しいと思います。義務感でやるよりも、エクササイズ感覚で取り組めたら楽しめるかなと。同じ思いを持った人たちが集まってごみ拾いをして、街がきれいになるのもうれしいし、達成感もありますね。

CHiNPANさん(水墨画アーティスト)、ダオコさん(アーティスト)、藤本夏樹さん(Tempalay)

Photo by Kousuke Shimasaki

(写真右から)CHiNPANさん(水墨画アーティスト)、Daokoさん(アーティスト)、藤本夏樹さん(Tempalay)

Daokoさん:ごみ拾いに参加するのは、今日が初めてでした。なんだか徳を積みながらお散歩できる感じでいいですね。一人では参加できないですけど、今日は友達が一緒だったので世間話しながらできましたし、ハードルも低かったです。

CHiNPANさん:落ちているごみのことも話しつつ、渋谷の街を散歩している感じでした。

藤本夏樹さん:なぜか多かったのがしじみの貝殻でしたね(笑)。きっとお酒を飲んだあとにしじみの味噌汁を飲んだのでしょうけど。ほかにもいろいろなごみが落ちていましたね。まずは、自分たちがごみをなるべく出さないような暮らしを実践するのが大切かなと思います。

ごみ拾いしたあとに飲みに行くのもおもしろいと思うんですよ。ちょっと軽い運動じゃないですか。それぐらい軽い気持ちでやればいいんじゃないかなって思いますね。

530アクションでは、渋谷駅以外にも全国各地でごみ拾いイベントを実施。ここからは関西の参加者たちのごみ拾いファッションスナップをお届けする。

金セアルさんのスナップ

金セアルさん(コミュニケーション)

金セアルさん:ごみ拾いのあとにカフェに入ったんですが、店員さんに一時的にごみを外に置いていると伝えると「街をきれいにしてくれてありがとうございます。うちのお店で捨てます!」と言ってくださって。ふだんからやってはいるんですが、そのたびに新しい誰かと出会って話をして、ポジティブなコミュニケーションが生まれています。

ごみ拾い活動についてSNSで発信してみると、「やってみたい」と思っている人がたくさんいることがわかりました。楽しみながら多くの人を巻き込みたいと思います。

川畑若菜さん(PR/コミュニケーション)

川畑若菜さん(PR/コミュニケーション)

川畑若菜さん:ごみ拾いは一ヶ月半に一度ぐらい、友人や仕事仲間と一緒に行っています。エシカルなアクションを実践したいと思ったときに、グリーンバードさんが大阪でも活動しているのを知って。そこに参加したのがはじまりです。ごみ拾いをするようになって、「自分の身の回りもきれいにしよう!」と気持ちがシャキッとするようになりました。

やっぱり、ふだんの会話にはないコミュニケーションが生まれるのが楽しいですね。勝手にゴミュニケーションと呼んでいます(笑)。

久保楓さんのごみ拾いファッション

久保楓(PRアシスタント)

久保楓さん:ごみ拾い歴は3年ほどです。友人に誘ってもらったビーチクリーンのイベントに参加したのがきっかけでした。ごみを拾いながら歩いていると、地域の人との会話が生まれたり、新しいお店やスポット見つけたりと新たな発見があるので楽しいですね。これからはもっと友人を誘って、生活の一部にしていきたいと思います。


eriさんが教えてくれたように、地球環境を守る一番身近なアクションがごみ拾いだ。仕事へ行く前に、休日の朝に、友人との飲み会の前に……参加者たちからもさまざまなアイデアが得られた。

ごみは、いまも路上に転がっている。義務感ではなく、無理のない範囲で一歩を踏み出そう。みなさんも、自分なりのスタイルでごみ拾いを習慣にしてみてほしい。

ごみ拾いに参加したメンバー

Photo by Kousuke Shimasaki

木製のラックに並べられたトング

今回のごみ拾いに協力してくれた都市型コミュニティホテル「all day place」では、一般参加のごみ拾いイベントを企画している。新羅慎二さんが寄贈してくれたトングを貸し出す予定で、手ぶらでも参加可能だ

循環 × 530ACTION × ELEMINIST
渋谷ごみ拾い Support by all day place & 永塚製作所
Special thanks to greenbird / 一般社団法人渋谷区SDGs協会

MAGIP

ごみ拾いトング

1,650円

※2022.06.16現在の価格です。

MAGIP

ごみ拾いトング - キッズ

1,540円

※2022.06.17現在の価格です。

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ごみ拾いトング - マジップゼロ(黒帆布ケース付き)

4,180円

※2022.06.17現在の価格です。

※掲載している情報は、2022年6月22日時点のものです。

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