ファッションやメイクをこれからもポジティブに楽しむために 今日から私たちができること

モデル2名が並んでいる写真

いままで何気なく積み重ねてきた買い物の習慣や美しさに対する価値観を少しずつ変えていくことが、持続可能な未来をつくるためには必要なこと。自分だけじゃなく、環境や動物、周りの人々に配慮した上でこれからも気持ちよくおしゃれを楽しむために、いま私たちができる小さな心がけとは?

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2022.05.11

私たちの日常にあるファッションやビューティも、喫緊の地球課題と切っても切れない関係にある。その服やコスメがどうやってつくられ、ここまで届けられたのか、そもそも本質的なおしゃれや美しさとは? これからの買い物の仕方や物選びについて考えるきっかけとして、ELEMINISTからのポジティブな提案をご紹介。

ダミー

パッと見の印象だけでなく、ブランドの取り組みを調べてから買う

デザイン、品質、ブランド、誰かが着ていてすてきだったなど、服を買うときの基準が人それぞれきっとあるはず。そんないままでの基準に、「このブランドはエシカル、サステナブルの観点ではどういう取り組みをしているのか?」という新たな物差しを加えてみては?

リーバイスフレッシュのイエローのジャケット、ショートパンツにハンターのブーツを合わせたモデル

01

植物由来の鮮やかなカラーが目を惹く、これからのアクティブスタイル

イエローのジャケットとTシャツ、ショーツはボタニカルベースの染料で染色された色鮮やかなアイテムが揃うコレクション〈リーバイス® フレッシュ〉のもの。染料は茜根エキスやナチュラルインディゴなどの絶滅の危機に瀕していない植物、ザクロの皮など食品として使用できない農業副産物、クレーや炭酸塩、天然酸化物などといった鉱物から採取したものを使用。糸に付着させるための添加物の使用を少なくするために、こういった植物染料や鉱物染料を採用している。

また水を再利用する機械に逆浸透膜を使用する工場と協力することにより生産時の水を節約するなど、問題視されているファッション業界の水の大量消費、水質汚染にも取り組んでいる。

〈リーバイス®〉ジャケット¥14,300、Tシャツ¥4,950、ショーツ¥8,800(リーバイ・ストラウス ジャパン levi.jp)、〈ハンター〉FSC認証されたゴム林から調達された素材を使ったブーツ¥19,800(ハンタージャパン カスタマーサービス 0120-563-567)

ジーナトリコのグリーンと白のストライプワンピースを着たモデル

02

着たいのは、環境への配慮はもちろんファッションとして楽しめる服

鮮やかなストライプが目を惹くコットンワンピースはスウェーデン生まれのブランド〈gina tricot〉の一着。現在コレクションの57%がサステナブルな素材を使った製品となり、2028年には全製品がサステナブルな素材になるように目標を設定。そのほか2018年からRenewcell社と協力し、何度でもリサイクル可能なコットン素材の開発も進めている。アニマルウェルフェアや生産工場とのフェアな取引、女性のエンパワーメントなど、エシカルな取り組みを積極的に行い、ウェブサイトでは2014年から毎年サステナビリティレポートを公開。

〈gina tricot〉ワンピース¥10,450(Sustainable k3 www.k3coltd.jp) 、〈トムウッド〉リサイクルシルバーとリサイクルゴールドを使用したピアス¥58,300(トムウッド プロジェクト  www.tomwoodproject.com/ja/) 、〈カンペール〉一足丸ごとリサイクル可能な単一素材でつくられたサンダル¥22,000(カンペールジャパン 03-5412-1844)

意思表示を込めて身に着けるアイテムを選ぶ

服づくりを通して社会課題への問題提議や解決策を発信するブランドも少しづつ増えてきている。「買い物は投票」とよく言われる通り、そういったブランドの服を身に着けることで、間接的に社会課題と向き合うことができる。

ココの白いワンピースとシャツを着たモデル

01

服やジュエリーを通して、ファッション業界が抱える問題を提議

社会課題の解決を掲げ「服のかたちをしたメディア」を標榜するブランド〈coxco〉。不要になった繊維からつくられた再生ポリエステル生地を使ったコレクションを通して衣料品廃棄の問題を提議したり、変形アコヤ真珠を用いたジュエリーを通して真珠養殖被害の問題を取り上げるなど、ファッションを通してさまざまな社会問題を発信。今回着用したワンピースは国内の廃棄ペットボトルをリサイクルしてつくられた生地を使用し、シャツは残り布で制作されている。

〈coxco〉シャツ¥20,900、ワンピース¥42,900(ともに coxco info@coxcoinc.net)、 〈トムウッド〉リサイクルシルバーとリサイクルゴールドを使用したピアス¥58,300(トムウッド プロジェクト  www.tomwoodproject.com/ja/)、〈Veja〉 フェアトレードの原則に従ったオーガニックコットン、アマゾンに住む人々から直接仕入れたゴム、リサイクルポリエステルを使ったスニーカー¥18,150(シードコーポレーション 03-6709-9662)

イコーランドのシルクドレス、トップス、スカートを着たモデル

02

食文化と同じように、ファッションにも“信用”という新しい文化を

ファッション界に「信用できる衣服こそ魅力的」という新しい文化を根付かせるというブランドビジョンを掲げる〈EQUALAND - TRUST AND INTIMATE -〉。綿花生産者から技術者、デザイナーに至るまで、製造に関わる自筆署名を印刷した「信用タグ」を付けるなど、生産者の顔の見える化や産地ブランドが表す「信用できる食こそがおいしい」という食文化と同様の、ファッションにおける信用の重要性を発信。

シルクサテンのトップス、ドレス、スカートは日本古来の草木染めを進化させたボタニカル・ダイを採用し、染料にはコールドプレスジュースの絞り果実や流通に乗らなかった食材などを使用。一般的には天然染料を20%使用していれば草木染めと呼ぶことができ、色を定着させるために多くの薬剤が投入されることが多い中、独自技術により天然染料の割合を90%以上維持するとともに、クリアな発色も実現。

〈EQUALAND - TRUST AND INTIMATE -〉トップス¥22,000、ドレス¥33,000、スカート¥33,000(すべてイコーランド - トラスト アンド インティメイト - /イコーランド シブヤ 03-6805-0904) 、〈カルロッタ レイ〉ゴムの生産時に発生する切れ端は回収され、次のコレクションに再利用される天然ゴムのサンダル¥22,000(ピーアルワントーキョー 03-5774-1408) 、〈トムウッド〉リサイクルシルバーとリサイクルゴールドを使用したピアス¥39,380(トムウッド プロジェクト  www.tomwoodproject.com/ja/)

テスト

自分をよく知り、メイクすることが結果的にエシカル・サステナブルにつながる

いままで使っていたコスメをエシカル、サステナブルなものに替えていくことは実行したいアクションのひとつ。ただ、流行に振り回されてエシカルコスメを必要以上に買うことも本末転倒なので、まずは自分のことを深く知って、流行に振り回されない個性を生かしたメイクを研究するところから始めてみよう。

とはいえ、季節の色や質感を纏えるのもコスメの魅力のひとつ。自分に合ったメイクを思い切り楽しむためにも、使い終わった容器の回収を行なっているかどうか、容器の素材に配慮がされているか、そうしたメーカーの努力も気にかけて手に取ってみて。

01

自分の特性や嗜好を見つめ直し、個性を生かしたメイクを自由に楽しもう

SHIROのアイシャドウを使ったモデル二人

常に新しいアイテムが出てきては消費されて、次のシーズンには葬られる……。そんなメイクの流行に振り回されないためには、自分のことを深く知ることが近道。結果的に自分には必要のない流行アイテムを増やさなくてよくなり、買ったのにほとんど使わなかった、なんてこともなくなるはず。例えば同じアイメイクでも、こんなふうにそれぞれの個性によって似合うカラーは違うもの。パレットの色を混ぜてみたり、ときにはアクセントカラーをメインに使ってみたり、もっとメイクを自由に楽しもう。

(左)〈coxco〉シャツ¥20,900、ワンピース¥42,900(ともに coxco info@coxcoinc.net) 、〈トムウッド〉リサイクルシルバーとリサイクルゴールドを使用したピアス¥58,300(トムウッド プロジェクト  www.tomwoodproject.com/ja/)(右)〈EQUALAND - TRUST AND INTIMATE -〉トップス¥22,000(イコーランド - トラスト アンド インティメイト - /イコーランド シブヤ 03-6805-0904) 、(爪に塗ったネイル)〈manucurist〉最大84%の植物由来成分を使用した、フランス発のヴィーガン・クルエルティフリーのネイルポリッシュ¥2,970(ELEMINIST SHOP https://shop.eleminist.com/

今回アイメイクに使用した〈SHIRO〉のアイシャドウパレットは指で馴染ませやすい質感に仕上げることで付属のブラシを廃止し、スリムなデザインへと変更することでパッケージに使用するプラスチックの量を削減。また色ごとに量を調整することで、最後まで使い切りやすくするといった工夫も。2022年4月からはSHIROオンラインストアに加え全国SHIRO直営店舗においても紙箱なしのパッケージレス製品の販売がスタート。

〈SHIRO〉ジンジャーアイシャドウパレット各¥7,255(SHIROカスタマーサポート info@shiro-shiro.jp)  

la bouche rougeの赤リップを塗ったモデル

02

時代が変わっても色褪せない、王道のスタイルを知っておく

例えば赤リップを主役にしたメイクのように、時代が変わっても決して古くならない、メイクの王道を知っておくことも流行に振り回されない秘訣。ただ、王道メイクにも時代に合わせたスタイルがあり、今っぽさを出すならリップ以外のパーツのメイクは思い切って引いてみるのがおすすめ。抜け感が生まれ、クラシカルな赤リップを新鮮に楽しめるはず。

今回のリップメイクに使った〈La bouche rouge〉のリップスティックは、従来の口紅に使われてきたマイクロプラスチックをはじめ、パラベンやパラフィン、防腐剤など、人体や地球に有害な成分を一切使用することなくビビッドな発色を実現。またカラーリフィルをセットするだけで繰り返し使えるレザーケースは皮工場で廃棄される細かい皮の端切れをアップサイクルしたレザーを使用するなど、完全プラスチックフリーにこだわっている。

〈La bouche rouge〉リップリフィル(ルージュ ヴァンドーム)¥4,840、レザーケース(ベージュ)¥10,780(エドストローム オフィス 03-6427-5901)

テスト

すべてを一気に変えなくて大丈夫! 楽しみながら、できる範囲で

クローゼットの中やメイクボックスの中を一気に変えることは現実的に難しいし、いまある服やコスメを大切に使い続けることも大事なアクションのひとつ。そんな中で手軽に取り入れやすいのが日用品。最近は見た目もかわいいエシカルなアイテムが増えてきているので、楽しみながら少しずつ切り替えていこう。

ELEMNIST SHOPで取り扱っているエシカルなアイテム

日用品がなくなったタイミングで、より良い選択肢にシフト

洗剤や歯ブラシ、カミソリなど、日常的に消耗するアイテムから少しずつ変えていくことが、エシカルなアイテムを日常生活に無理なく取り入れる秘訣。ELEMINIST SHOPにはさまざまなアイテムが揃っているので、見ているだけでもワクワクするはず。

(左から時計回りに)〈618 scallop powder〉キッチンの油汚れ、トイレやお風呂などの掃除、洗濯洗剤など家中のさまざまな洗剤と置き換え可能な、産業廃棄物であるホタテの貝殻をアップサイクルしたマルチパウダー¥1,100、〈MiYO Organic〉芯の部分に循環素材の竹を使用し、竹独特のしなやかな強度がある綿棒¥330、プラスチックの使用を80%削減した竹歯ブラシ¥319、〈Davids〉自然な甘さと爽やかな天然ミントフレーバーのホワイトニング歯磨き粉¥2,200(チューブ絞りつき)、〈TwoTrees〉繰り返し使えるプラスチックフリーの両刃カミソリ¥4,500(すべてELEMINIST SHOP https://shop.eleminist.com/

撮影/黄瀬麻以 スタイリング/木村舞子 ヘアメイク/下永田亮樹 モデル/カイノユウ(Kukka management)、BEBE 執筆・編集/堂坂由香、後藤未央(ELEMINIST編集部) 

※掲載している情報は、2022年5月11日時点のものです。

    Read More

    Latest Articles

    ELEMINIST Recommends