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肌にもっとも密着する化粧水は、安心できるオーガニック由来がいい。そんな人に、処方がシンプルで安心、取扱店で直接試すことができる、おすすめのオーガニック化粧水を厳選してご紹介。メリットやデメリット、選ぶときのポイントも併せて解説します。
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オーガニック化粧水とは、農薬や化学肥料に頼らず、有機肥料を使用し栽培された植物を主原料とする化粧水のこと。その目的は、植物の持つ力を最大限に活かし、添加物に頼らない肌本来の治癒力を引き出すこと、また、環境や動物への負の影響を極力軽減させることが挙げられます。しかしながら、"オーガニック"であるかの定義は、認証団体によって内容が異なり、1滴でもオーガニック由来成分が入っていれば、"オーガニック化粧水"と謳えてしまうのが現状です。
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オーガニック化粧水の最大の特徴は、有機栽培で育てられた植物由来の成分が高い濃度で配合されている点。そのほか似たような呼称では、石油由来の成分などをできるだけ使わず自然由来成分を主原料とした"ナチュラルコスメ"や、着色料などの添加物を使用していない"無添加化粧水"、動物由来の成分を一切使用しない"ヴィーガンコスメ"などがあり、混同されることもありますが、厳密には異なります。購入時には、商品の成分やブランドのコンセプト・成り立ちを確認してみるのがいいでしょう。
有機栽培された植物を主原料とするオーガニック化粧水は、原料の生産過程において有害な農薬や化学肥料を極力使用しないため、肌にも環境にも配慮している点がメリットとして挙げられます。素肌に自然の恵みを届けることはもとより、材料となる植物を育む土壌の生物多様性を守ることや、受粉を促す花粉媒介者であるミツバチとの共生なども期待されます。
現状、オーガニックコスメの基準を明確に設定しているのは海外の機関のみ。日本ではいくつかの認証団体が独自の基準で認証を始めているものの、統一された明確な基準はありません。そのため、1種類でも有機栽培の植物成分が含まれているだけで"オーガニック"と謳うメーカーもあるので、しっかりとブランドの成り立ちやコンセプト、取り組み、商品の成分などを確認することが必要です。
また、防腐剤や保存料などを一切使用していない製品の場合は、開封後の使用期限が2か月前後と短く、ものによっては冷蔵保存が必要な場合もあります。逆を言えば、常温で何か月も使用できる化粧水について、考えるきっかけにもなりますね。さらに、植物アレルギーがあるように、植物由来でも肌に合う合わないがあります。"ナチュラル成分だからどれでも肌にいいだろう"とやみくもに手を出すと、思わぬ失敗に。しっかり試しながら取り入れるのがおすすめです。
前述したように、オーガニック原料を使用している製品が必ずしも自分の肌に合うとは限りません。そのため、テクスチャーや香りの確認も含め、購入前にしっかりと試すことが大切です。ブランドのプロフェッショナルである販売員に相談ができるよう、実店舗があるかどうかも選ぶポイントにするといいでしょう。
また成分においては、できるだけシンプルなもの、原材料名がわかるものを選ぶのがおすすめです。たとえば調味料を選ぶときも、製品ラベルを見て、何が入っているかわかるものを手に取りますよね。細かい成分名をあげればキリがないし、覚えきれません。化粧品も同じ目線で選んでみるといいでしょう。そして、「この成分についてより詳しく知りたい」というときには、日本オーガニックコスメ協会のように、日本目線でのオーガニックコスメサイトを参考にしてみてください。
ここでは、オーガニック化粧水を使ってみたいと思っている人に向けて、おすすめの化粧水をピックアップ。処方(成分)がシンプルであること、日本人の肌に合わせた処方であること、日本の素材を活かした処方であること、そしてテスターが試せる実店舗での取り扱いがあるブランドの製品であること、などを基準に、5つのアイテムを厳選して紹介します。
1921年にスイスで誕生し、世界のオーガニックコスメを牽引してきたリーディングブランド「WELEDA」のローション。ザクロの果実エキスをはじめ、アロエベラやローズマリーの葉など植物成分を豊富に配合しています。日本の気候や日本人の肌を考慮して開発された、日本限定処方も魅力のひとつ。乾燥しやすい目元や口元まで保湿成分がアプローチし、キメの整った明るい肌へ導いてくれます。果実感あふれるフルーティでスパイシーな香りが特徴。天然由来成分100%、国際オーガニック認証「NATRUE(ネイトゥルー)」を取得しています。
石油由来の原料を一切使用せず、有機栽培された植物による天然成分のみを扱う、日本発のブランド。日本で和漢として古くから重宝される「オタネニンジン」が持つ「ジンセノサイド」という、肌にハリや潤いを与える成分が配合されたローションです。そのほか、無農薬で育ったアカシソと、女性の悩みに効果的なヨモギからまるごと抽出したエキスが使われており、肌環境を整えてくれます。サステナブルコスメアワード岸紅子賞受賞。
植物療法士である森田敦子氏が立ち上げたトータルライフケアブランド。植物の力を利用して心や体をケアする"フィトテラピー"と本草学の観点から、高い機能性を持つ天然の桑、菊、ゴツコラ、ヨモギ、スギナの5種類に着目。その力を最大限に引き出す独自抽出法を開発し、生み出されたローションです。凝縮された植物の恵みでバリア機能をサポートし、ハリつやのある肌へ導きます。ヴィーガン処方、クルエルティフリー、天然由来成分97%以上配合で、さらに合成着色料・合成香料・パラベン・石油系界面活性剤・フェノキシエタノール・エタノール不使用。
1980年代のイギリス・ロンドンでナチュラルアポセカリー(自然療法薬局)としてスタートしたトータルケアブランド「NEAL'S YARD REMEDIES(ニールズヤードレメディーズ)」。そのベストセラー化粧水。無着色、無鉱物油、アルコールフリー、シリコンフリー、パラベンフリーのオーガニック処方で、イギリスの有機認証機関「ソイル・アソシエーション・サーティフィケーション」の認証を受けています。ごわつきや乾燥、くすみの原因となる古い角質を取り去り、透明感のある肌に整えてくれます。
日本に昔からあるサステナブルな言葉「久遠(くおん)」から命名された日本発のブランド。無農薬・自然農栽培の原料をはじめ、国産の自然原料を高い比率で配合しています。約20年にわたる技術開発により、天然成分100%、化学成分完全フリーを実現。そんなブランドが扱う代表的な化粧水がこちら。フランキンセンスなど、植物エキスを凝縮したさっぱりタイプのフェイスミストです。微粒子のミストが肌にすばやくなじみ、角質層に浸透。キメを整えてハリのあるみずみずしい素肌に導きます。
"処方(成分)がシンプルであること"を基準に、オーガニック化粧水を試してみたいと思う人に向けたおすすめを厳選しました。毎日使うものだから、環境にも肌にも配慮したい。そんな想いに応えるアイテムを手に取ってみてはいかがでしょう。
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