配送ごみを出さない 米英で注目「Boox」の100%リユースできるパッケージ

アメリカ・イギリスで人気の100%リユースできる配送パッケージ「Boox」

Photo by Boox

カリフォルニアを拠点とするスタートアップBooxは、オンラインショッピングの発送で出る配送ごみを減らすため、100%再利用できるパッケージを提供。アメリカとイギリスにある1万ヶ所の返却拠点を活かし、循環型エコノミーを促進している。

今西香月

環境&美容系フリーライター

慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中

2022.04.25
SOCIETY
学び

イベントや商品の魅力を広げる エシカルインフルエンサーマーケティング

再利用できる配送ボックスを展開 環境への負担を70%軽減

アメリカ・イギリスで人気の100%リユースできる配送パッケージ「Boox」

Photo by Boox

ネット通販やオンラインショッピングの普及にともない、増え続ける梱包資材や段ボールのごみ。自宅で買い物できる利便性はいいが、環境負荷を考えると梱包材の廃棄ごみは極力避けたい。

アメリカ・カリフォルニアで2019年に小売業者のEC発送業務を開始したスタートアップ「Boox」は、そんな配送にかかわるごみ問題解決に取り組んでいる。

Booxは、テープ不要で組み立てできるリユース可能な配送ボックス「Boox Box」を展開。大きや色もさまざまで、全部で75種類以上を揃え、さらに耐用年数を迎えた場合はリサイクルして新製品に戻せる緻密な設計だ。

同社は、消費者とブランドの“梱包・配送・再利用”を後押しする循環型D2C(Direct to Consumer)配送サービスとして、拡大。従来型の梱包材やパッケージに比べて、長期的に環境負担を70%軽減できるという。

アメリカ・イギリスで人気の100%リユースできる配送パッケージ「Boox」

Photo by Boox

Booxが先日発表した「Boox Baag」。

また先日、100%リユースできるサステナブルな配送パッケージ「Boox Baag」を開発。「Boox Baag」はリサイクルナイロンとポリエステル製の袋状パッケージで、繰り返し使える。衣類や柔らかい製品が多いアパレル企業の間でとくに人気が高く、使い捨てプラスチック包装の代替品として利用されている。

返却拠点は米英1万ヶ所 サーキュラー型エコノミーを促進

アメリカ・イギリスで人気の100%リユースできる配送パッケージ「Boox」

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Booxのパッケージに梱包された商品を受け取ったら、そのパッケージは「Return Place」と名付けられた返却拠点に返す仕組みだ。返却拠点は、アメリカに6,000カ所、イギリスに4,000カ所以上ある。そしてBooxは、返却されたパッケージを回収・再生して、事業パートナーに再配布している。

Booxを利用して商品を発送する場合、1回あたりのコストは0.4ドル〜1ドル(約51~125円)と格安だ。

現在Booxを利用するのは、「ルルレモン」「Ren Clean Skincare (レン クリーン スキンケア)」など、美容・アパレル業界の60以上のブランドにおよぶ。2021年には10万件を出荷し、2022年はその10倍の100万件を目指している。

アメリカ・イギリスで人気の100%リユースできる配送パッケージ「Boox」

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1万カ所以上ある返品拠点のネットワークのおかげで、パッケージの返却がより便利になり、利用者は配送パッケージを廃棄せずにすむ。新型コロナの感染拡大をきっかけにオンラインショッピングがますます普及するなか、このような配送パッケージの循環型サービスは広く利用されるようになるだろう。

※掲載している情報は、2022年4月25日時点のものです。

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