初心者におすすめのオーガニックコスメブランド7つと選び方

テーブルに置かれたコスメと添えた手

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コスメもオーガニックなものに変えたいと思う初心者に向けて。エシカルディレクターの中川原圭子氏が、オーガニックコスメ選びのポイントや注意点、おすすめのブランドを紹介します。

監修者: Keiko Nakagawara

ELEMINIST エシカルディレクター

何でも手作りしてくれた母の影響で、自身も2児の母として何事も自分で一度咀嚼し取り入れるライフスタイルを長年実践。「サステナブル・エシカル・SDGs」、難しい横文字を「暮らし」…

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2022.05.19
SOCIETY
学び

エシカルマーケティングとは? メリットや実例をわかりやすく紹介

オーガニックコスメとは?

オーガニックコスメの認証制度が乏しい日本は世界からやや遅れを取っているが、その注目度は年々高まっている

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農薬や化学肥料に頼らないオーガニックな製法でつくられた植物を成分とするコスメのこと。オーガニックコスメと呼ベる基準については、海外ではヨーロッパのNPO団体が運営する国際的な制度「COSMOS認証」がひとつの指標として活用されています。

一方の日本では、いくつかの認証団体が独自の基準で認証を始めているものの、現状は統一された明確な基準があるとは言えません。そのため、1種類でも有機栽培の植物成分が含まれているだけでオーガニックコスメと謳うメーカーもあるので、しっかりとブランドの成り立ちやコンセプト、取り組み、商品の成分などを確認することが大切です。

オーガニックコスメを買う前に 知ってほしい大切なポイント

オーガニックコスメの使用感を向上させるポイントは、自分のコンディションやライフスタイルを知ること

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選ぶ前に向き合いたい 自分の肌とライフスタイル

どんなオーガニックコスメがいいか迷う前に、まず知っておくべきは自分自身のこと。これは、普通のコスメでもオーガニックコスメでも変わりません。
「おすすめのオーガニックコスメは?と聞かれたら、まず、どんなライフスタイルでどのような肌質か、メイクはいま何を使っていて、どんなクレンジングで落としているかを聞きます」(以下、「」内はエシカルディレクター・中川原圭子氏コメント)。その理由は、自分のことを把握せずに、"なんとなくよさそうだから"とオーガニックコスメを選ぶと、結局ライフスタイルと合わず使い方が煩雑になったり、成分が肌質に合わなかったりするから。

「せっかく数あるコスメの中からオーガニックなものを選んでも、自分の肌と合わなかったばかりに、“オーガニックコスメはナチュラルだから効果があまりないのかも”と誤ったイメージを持ってしまいます。オーガニックコスメは、植物のパワーをギュッと閉じ込めてお肌に届けてくれるから、実はとてもパワフル。自分の肌に必要なものをしっかり整理して手に取ってもらえたら嬉しいです」。

オーガニックコスメを選ぶときの3ステップ

普通のコスメと同じように、オーガニックコスメを選ぶときにも以下の3つが大切。"オーガニックだから何でも肌にいいだろう"と、やみくもに手を出さず、毎日のスキンケアに、植物の貴重な力を取り入れてみて。

1.自分のライフスタイルに合っているか

「オーガニックコスメと一言で言っても、使用するコスメのステップやアイテムの数など選択肢はさまざま。まずは、毎日、手入れにかけられる時間がどれくらいあるか、コスメにかけられる予算感、ラインアップを揃えるなら置き場所はあるかなど、自分のライフスタイルをしっかり把握しましょう」。

2.自分の肌質・悩みを知っておく

「たとえば“化学合成品不使用”、“ビタミンをたっぷり配合”など商品のアナウンスをチェックすることはもちろん大切。でもその前に、自分の肌はどんな時に調子がいいか、どんなときに調子が崩れるか、いまどんな悩みがあるかを知っておけば、手に取る際に見るべきポイントが自ずと変わってきます」。

「そのどれが自分の肌に合うか。それは例えば、お気に入りの靴を探すような作業です。自分の足の特徴と向き合い、試着をして、実際に歩いてみて......と、時間と手間がかかりますが、その先で"自分にぴったり合う靴"に出会えた時の喜びは大きいですよね。とくに敏感肌と感じる方は、スキンケアのラインをすべて入れ替えるのではなく、1アイテムずつ試しながら、徐々にオーガニックコスメに切り替えてみてください」。ナチュラル成分だからこそ、それぞれの植物が持つ本来の効果や効能は思った以上にあるもの。肌質を知ると同時に、自分の肌に合う植物、合わない植物なども把握しておくと、オーガニックコスメ選びがより成功に近づきます。

3.メイクとクレンジングはセットで考える

「生活リズムや食べ物は身体の中を、スキンケアは肌表面を整えるのに対し、メイクは肌のうえに洋服を"まとう"ような行為。そしてクレンジングはそれを"はがす"行為です。たとえば、あまり汚れていない服を強力な洗剤で落としたり、逆に油汚れが酷い服をナチュラルな洗剤で洗うと、服のコンデイションは崩れてしまいますよね? 肌も同じです」。

「石油系のメイクに対してオーガニックのクレンジング、オーガニックなメイクに対して石油系のクレンジングは避けましょう。オーガニックコスメを使ったけれど効果をあまり実感できなかった……という人も、この点を踏まえて試してみるといいでしょう。メイクとクレンジング、この両者のバランスをしっかり取ることが、オーガニックコスメを楽しむ一番大切なポイントです」。

初心者におすすめのオーガニックコスメブランド7選

ここでは、これまで多くのオーガニックコスメを試してきた中川原氏が厳選した、初心者も取り入れやすい7つのブランドを紹介します。いずれのブランドも処方がシンプルなものばかり。まずは自分の肌としっかり向き合ってから、気になるブランドのサンプルを試すことから初めてみてください。

NEMOHAMO(ネモハモ)

NEMOHAMOのオイル shopping

ブースターオイル - スムース 6,380円

石油由来の原料を一切使用せず、有機栽培された植物による天然成分のみを扱う、日本発のブランド。日本で和漢として古くから重宝される「オタネニンジン」が持つ「ジンセノサイド」という、肌にハリや潤いを与える成分に着目したことからブランドがスタートしました。無農薬で育てられた3年もののオタネニンジンを対馬の契約農家から仕入れ、エキス化に成功。それ以来、さまざまな植物のちからを凝縮したコスメを展開しています。

Herbivore Botanicals(ハービヴォア ボタニカルズ)

Herbivore Botanicalsのコスメ shopping

DEEP MOISTURE FACE OIL - エメラルド 7,590円

アメリカ・シアトル発のナチュラル&オーガニックコスメブランド。植物や鉱物を使用した代替医療の考え方をベースに、日本の竹炭やフランスのピンククレイなど、厳選した天然素材を使用しています。また、すべての製品がヴィーガン処方、クルエルティフリーであり、香りや使用感にもこだわっているのが特徴です。

Waphyto(ワフィト)

植物療法士である森田敦子氏が立ち上げたトータルライフケアブランド。植物の力を利用して心や体をケアする「フィトテラピー」とバイオテクノロジーを融合した独自の植物療法をコンセプトに、植物本来が持つ機能や成分を理想的な形で抽出、配合することに成功。桑、菊、ゴツコラ、ヨモギ、スギナなどを配合したスキンケア製品のほか、産前産後のデリケートゾーンケアアイテムなど、さまざまなライフステージに対応できるアイテムを取り揃えています。

NEAL'S YARD REMEDIES(ニールズヤードレメディーズ)

NEAL'S YARD REMEDIESのコスメ

Photo by NEAL'S YARD REMEDIES

1980年代のイギリス・ロンドンでナチュラルアポセカリー(自然療法薬局)としてスタートしたトータルケアブランド。"植物も人も、ベースとなる土壌や精神が健康であれば肉体も健康である"という思想のもと、エッセンシャルオイルやハーブティ、ナチュラルレメディなどをベースにしたオーガニックスキンケアを展開しています。さらに容器や梱包にもこだわり、ボトルも包装材もすべてリサイクル素材を使用。アイコンであるブルーボトルは創業当時から変わっていません。過剰なギフト包装などの無駄は極力排除した、シンプルパッケージのポリシーを40年も前から貫いています。

amritara(アムリターラ)

アムリターラのコスメ

Photo by amritara

2008年に誕生した、日本発のブランド。植物由来成分の80%がオーガニック成分であること、石油由来成分や遺伝子組み換え成分は使用しないことなど、独自の厳しい基準をクリアしたオーガニックコスメを扱っています。九州には自社農園を構え、そのほか全国各地で無農薬栽培された植物を積極的に採用しています。また植物が乾燥や紫外線から身を守るためにつくり出す「フィトケミカル」という特有成分も配合しており、肌トラブルの解決をサポートしてくれます。

WELEDA(ヴェレダ)

ヴェレダのコスメ

Photo by WELEDA

1921年にスイスで誕生。創業100年を超える老舗であり、世界のオーガニックコスメを牽引してきたリーディングブランド。ヴェレダでは植物原料の約75%は、オーガニックもしくはバイオダイナミック農法で育てられたものか、認められた方法で採集された野生植物を使用しています。また原料の調達から使用する電力、梱包材まで細かく目標を設定し、サステナブルなブランド活動を積極的に推進している点にも注目です。

Dr.ハウシュカ

Dr.ハウシュカのコスメ link

Photo by Amazon

ドイツで権威のあるÖko TEST(エコテスト)の認証を得たオーガニックコスメブランド。1935年から続く自然療法に基づき、医療メーカーが長年培った技術やノウハウをもとに製造をおこなっています。医薬品基準と同じように管理された高品質な製品は、世界中のセレブたちからも信頼を集めています。植物由来の原料は、可能な限りバイオダイナミック農法によるものを使い、合成・人工原料フリーです。

原材料が明確でシンプルなものを選ぼう

化粧品は、細かい成分名をあげればキリがないし、覚えきれないのも事実。詳しい人でも難易度が高いので、初心者にはなおさらです。そこで、イメージしてほしいのは調味料選び。「調味料は口に入れるものなので、“なるべくシンプルなもの”、“原材料名がわかるもの”を真剣に選ばれると思います。コスメも同じ目線で選んでみるといいでしょう。より詳しく知りたいときには、日本オーガニックコスメ協会のように、日本目線で書かれたオーガニックコスメサイトを参考にしてみてください」。一度に"メイクアップもスキンケアも"と欲張らず、自分のペースで、ひとつひとつ"使ってみて良かった"を実感し、対象アイテムを広げていってみてください。

※掲載している情報は、2022年5月19日時点のものです。

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