Photo by allbirds
サステナブルで環境や人にやさしい素材を使ったファッションアイテムが続々と登場している昨今。おしゃれの重要ポイントである靴も、サステナブルなものを選びたい。そこで、"日本で買える"を重視したサステナブルなシューズを厳選して紹介します。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。
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大量生産や劣悪な環境での労働など、世界で2番目に環境に悪いインパクトを与えているとも言われるファッション業界。急ピッチでサステナブルでエシカルな製品づくりへ、業界全体がシフトしています。
毎日の行動に欠かせない靴は、ファッションアイテムであり、必需品です。だからこそ、環境や人に配慮したサステナブルなものを選びたいものですね。ここでは、さまざまな取り組みでサステナブルなシューズを展開している、日本で購入可能なブランドを厳選して紹介します。
Photo by Öffen
そもそも、サステナブル=持続可能な靴とはいったいどのようなものを指すのでしょうか? ここでは、大きく分けて次の4つのポイントをあげました。靴を選ぶときの参考にしてみてください。
①天然素材を使用
(ヴィーガンレザー、オーガニックコットンなど、環境負荷の低い天然材料を使用)
②アップサイクルされている
(他のアイテムの再利用、廃材やデットストックの再利用)
③リサイクル素材・繊維を使用
(ペットボトルやその他リサイクル繊維を使用)
④エシカル視点でつくられている
(工程や工場での環境配慮、労働者への配慮、寄付活動など)
上記に加えて、日本国内で買えるかどうかもポイント。サイズ選びやお手入れ方法の相談ができることも、長く大事に履いていくには必要です。ここでは、“日本発”もしくは“日本に旗艦店がある”ブランドをピックアップしました。
[②アップサイクル]
着物や帯をアップサイクルしてパンプスなどに仕立てる、ハイブリッドなシューズブランド。靴に着物や帯の素材を取り入れることで、日常のなかで日本の伝統文化を継承する意図もあり、職人や伝統工芸の支援にもつながっていきます。「バーニーズ ニューヨーク銀座本店」などでも取り扱うほか、公式オンラインストアでも購入可能。
[③リサイクル]
オッフェンとは、“開放的な”という意味のドイツ語。シンプルで飽きのこないシンプルさを基本にしながら、少しひねりを利かせることで個性も演出できるデザインが魅力です。新しい資源の使用を減らすことを目的に、環境に配慮したリサイクル素材をできる限り使用しつつ、柔らかく足に吸い付くような履き心地を実現しました。
ペットボトルをリサイクルした糸(再生ポリエステル)を使用した靴本体は、まるごと手洗い(30℃以下の水洗い)が可能です。また、生分解性素材のインソールは、取り替え用を別売りで用意。家で簡単にお手入れができ、きれいな状態で長く愛用できます。環境への配慮やサステナブルな未来に貢献しています。
[①天然素材]
1932年創業の老舗シューズメーカーである日進ゴムが、新しくつくりだしたブランド「RALLY ROUND(ラリーラウンド)」。北欧のエストニア、南欧のポルトガルなど、アースフレンドリーなシューズ造りに共感したサプライヤーとともに開発を行っている。
とくに注目したいのは、竹と天然ゴムを主成分に、日進ゴムが開発したBambrubソール。通常、石油素材でつくられるアウトソールやミッドソールを、94%植物由来で代替。通常のゴムより10%も軽く、柔らかなソールが誕生したという。また、ポルトガルで大切に育てられた天然コルク材をインソールに使用。伐採せず、樹皮をはがす昔ながらの製法でつくられている。RALLY ROUNDの1stモデルは2023年10月発売。
[①天然素材 ③リサイクル]
サッカーのニュージーランド代表だったティムと、バイオテック専門家のジョーイによって、2016年、米カリフォルニア州シリコンバレーで生まれたサステナブルブランド。デザイン性と環境配慮の融合に賛同し、俳優で環境活動家でもあるレオナルド・ディカプリオ氏も投資しています。
「ウールランナー」は、ティムの故郷などで生産される最上級のメリノウールを用いた、快適性とエコを両立したアイテムです。ほかにも、メッシュ部分にユーカリを用いた「Tree」シリーズや、サトウキビ由来のミッドソールを使用するなど、先端技術をサステナブルなプロダクトに活用しています。
東京・原宿に実店舗を構えるほか、公式オンラインストアも開設しています。
[③リサイクル ④エシカル]
言わずと知れた、ドイツ発祥のグローバルスポーツウェアブランド。前述の「allbirds」とコラボレーションするなど、サステナブルなアイテムも多数展開しています。2015年から海洋保全NGO団体「Parley for the Oceans (パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ)」とパートナーシップを組み、回収した海洋プラスチックごみから新素材を生み出し、商品化する計画を開始。
2021年には、定番モデル「スタンスミス」にリサイクル素材を使用することを発表しました。これは、2024年までにアディダスのすべての製品においてバージンポリエステルの使用を廃止し、リサイクルポリエステルを使用するという目標に向けた第一歩です。
また、2022年1月には、同社のサステナビリティを体感できる新たな直営店舗「アディダス ブランドセンター 原宿」をオープン。そこでは、スニーカーのクリーニングサービスを行っているほか、給水スポットやオリジナルボトルの販売サービスといった国内店舗初となるサービスを展開しています。
[②アップサイクル ③リサイクル]
アメリカのオレゴン州ポートランドに本社を構える、2003年に創業したアウトドアフットウェアブランドで、日本国内にも複数の直営店を構えています。
"自分たちが暮らし、遊び、働く場所を守る責任がある"との考えから、設立当初から「キーン・エフェクト」と呼ばれる環境保護や災害支援、ジェンダー平等などの活動を推進。 製品にもリサイクルPETや環境に配慮したなめし加工のレザーワーキンググループ(LWG)認証レザーを採用しています。
また、廃棄物となるはずだったものを再利用する「HARVESTコレクション」を多数展開。殻・葉・茎などの農業廃棄物や、車のレザーシート生産時に発生した端材といった産業廃棄物、コーヒーを淹れた後のコーヒーグラウンドなどの消費者廃棄物を集め、独自素材を開発しています。これらのアップサイクル素材をより多くの製品に採用することで、ヴァージンマテリアルの使用を削減し、メタンを大量に排出する廃棄物の埋め立てや温室効果ガス排出の削減を目指しています。
生活に欠かせない靴もサステナブルなものを取り入れたいと思う人に向けて。ここでは、"日本発のブランド"と"日本に旗艦店を持つブランド"を中心にピックアップしました。実際に手に取り試すことができること、また、扱い方やお手入れ方法を聞くことができることは、ミスマッチを減らし、長く大切に使い続けることにつながります。
また、急ピッチでサステナブルな製品づくりへシフトしているファッション業界。ここで紹介したブランドのように、素材に配慮しているだけでなく、さらに一歩進んだ取り組みを行なっているメーカーも多く存在します。これからは、ブランドの理念や思いを知ることも、アイテム選びのひとつのポイントにしてみてはいかがでしょうか。
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