プラスチックごみ問題への関心の高まりから注目を集める蜜蝋ラップ(ミツロウラップ)。本当にプラ製ラップの替わりになるのか、実際の使い心地は。長く使うためのお手入れ方法と併せてご紹介。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
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蜜蝋(みつろう)ラップとは、布を蜜蝋(働き蜂が巣をつくるために分泌するロウ)や植物性オイル、天然樹脂でコーティングしたもの。健康への影響や、環境への負荷がかかるプラスチック製食品用ラップフィルム(以下、プラスチックラップ)の代替品として近年注目を集めている。オーガニックコットンやオーガニックオイルを使用するなど、より環境に配慮した商品も多い。
プラスチックラップの替わりとして注目される蜜蝋ラップ。けれど、使いやすさと使いにくさの両面があるのも事実。それぞれみていこう。
水で洗って何度も繰り返し使えるため経済的。オーガニック素材でできていることが多く、なかには最終的に土に還すことができるものも。
さらに、コーティングに使われている蜜蝋やホホバオイルには抗菌性と天然の保存性があり、食品の持ちがよいという利点もある。最近ではかわいい柄の入った商品も増え、はたまたDIYで好きなデザインに仕上げたりと、おしゃれに楽しむことができるのも魅力。
蜜蝋の融点は約65℃程度。食洗機や電子レンジ・オーブン・直火・冷凍庫での使用はNG。また、その特性上、レモンなど酸の強い食材、蜂蜜アレルギーの人や1歳未満の乳児には使用しないほうが安全。衛生上、生肉・生魚を直接包むのも避けた方が無難なので、器に入れて上からかぶせる程度がおすすめ。
では、実際にどのようなシーンで使えるのか。プラスチックラップに替わる使い方を大きく5つに分けて、使い心地とともに紹介していこう。
まずは王道、使いかけの野菜や果物、パン、おにぎりやサンドイッチなどを包んで保存する使い方。実際に使用したところ、なかでも、丸い野菜や果物は包むのが簡単でおすすめ。玉ねぎを包んでも臭い移りは気にならなかった。
夕飯の食べ残しやつくり置きのお新香など、食べ物が入った食器にさっとかぶせて保存する使い方。手のぬくもりで温めて、柔らかくしながら包むのがコツ。ピタッとフィットし、とても包みやすい。皿が少しベタつくことが難点だが、お湯で洗えばもちろん簡単に落ちる。
こちらは使いかけの味噌やヨーグルトの蓋、手づくりジャムの瓶の蓋、ハーブ瓶の蓋など、蓋代わりの使い方。エコの観点から、使い終わった瓶を家庭内リユースする人も少なくないはず。うっかり蓋を捨ててしまったときにも助かり、さらに蜜蝋ラップの持つ抗菌性と保存性も活かせるので一石二鳥。
子どもにお菓子を出すときや、ピクニックやキャンプで洗った野菜や果物を出すときのお皿代わりに。薄くて軽くて持ち運びも楽。残ったら、そのまま包んで持ち帰ることも可能なので便利。水にも強く、染み出したり破れる心配もない。
手づくりお菓子をお裾分けするときも、蜜蝋ラップに包めば簡単にかわいくラッピングできる。さらには、ピクニックなどでフォークやスプーンを持ち歩くとき、旅行時に使いかけの石鹸を包むときなど、やや水気や汚れが付いたものにも活用できる。袋状に折れば、スナック用アーモンドなどの細かいものも入れられるので、プラスチック製ジップバッグ要らず。
このように、多くのシーンでプラスチックラップの替わりに活躍してくれそうな蜜蝋ラップ。ただし、透明ではないので、野菜などを丸々包むと中身がわからなくなるという落とし穴も。色を分けるなど、自分なりのルールを決めておくのが解決策。
いざ使ってみたいと思っても、どのサイズを買い揃えたらいいか悩んでしまう人は、次の使用例を参考に。ここでは、実際に使った円形の3サイズを紹介。
直径約13cm・・・玉ねぎの切り口、生姜などを包むのにちょうどよい大きさ。小鉢や瓶などの蓋にも適している。
直径約19cm・・・にんじんやりんごの切り口に、お椀や小ぶりな丼の蓋にもおすすめ。おにぎりは2個包むことができる。少し冷ました後に蜜蝋ラップに包み、その上からハンカチなどで包めばプラスチックフリーに持ち運べる。
直径約33cm・・・キャベツや葉物野菜、パンを包むのに最適。ボウルや大皿の蓋にもなる。花屋に持参すれば、濡れたティッシュと蜜蝋ラップで切り花を包んで持ち帰ることができる。
環境負荷を考えて蜜蝋ラップを使うからには、できるだけ長く、大事に使いたい。そのためのお手入れ方法や保管方法、傷んできたときのリペア方法を紹介。
洗い方:ぬるま湯でも毎日洗うとコーティングが落ちやすいため、長く使うには冷水で洗うのがおすすめ。汚れが気になる場合は、食器用の中性洗剤を使ってやさしく洗おう。シンクに置いて洗うと洗いやすい。つけ置きは避けて。
乾かし方:洗った後はフック付きピンチで干したり、洗った皿などと一緒に自然乾燥を。コーティングが水を弾くので、意外と乾きやすい。直射日光や高温の場所は避けること。
収納方法:自然乾燥したら、平積みまたは軽く巻いて保存。空き瓶などに差しておけば、使うときもさっと取り出せる。長期間使用しない場合は、冷蔵庫での保管がおすすめ。寒い場所では蜜蝋が硬くなるが、常温でしばらく置くとまた柔らかさが戻る。
使い込んでいくなかで、どうしても濃い色が移ったり折り目やシワが付いてしまう。けれど、それも個性として楽しんで。それでもくたびれてきたとき、蜜蝋がフレーク状に剥がれてきたときは、クッキングシートを敷いたトレーにのせ、100℃のオーブンで数分温めてみよう。蜜蝋を溶かすことである程度リペアできる。なお、メーカーごとに推奨する方法もチェックを。
どのアイテムも推奨使用期間はおよそ1年前後。リペアをしながら長く使えるのが蜜蝋ラップの魅力だが、生地自体の劣化が進みリペアでも対応できなくなったら、そろそろお別れどき。各メーカーの取り扱い案内に沿って適切に処分しよう。素材によっては土に還るものもあるので、自宅にコンポストがあれば、細かく刻んでコンポストに入れるのも検討したい。
プラスチックラップに替わる蜜蝋ラップ。環境負荷の観点から使用を検討している人は、一度トライしてみてほしい。けれど、すべてのシーンで代替可能というわけではないから、「今後一切、プラスチックラップは使用しない」と意気込むのではなく、かわいい柄を楽しみながら始めるのがおすすめ。
蜜蝋ラップではNGな電子レンジでの使用は、繰り返し洗って使えるシリコンラップや同じくシリコン製の食品保存容器で代替できる。替わりのモノを探しながら、自分ができる範囲で取り入れていってみて。
aco wrap
ミツロウラップ
1,320円
※2022.06.29現在の価格です。
abeego
ビーズワックスラップ - 5サイズ展開
2,970円
※2022.06.29現在の価格です。
今回こちらでミディアムのセットを購入しました。お昼のお弁当用におにぎりを包むのにラップを毎日消費していて、それが勿体無いし環境に良くないしで嫌になって、みつろうラップを初めて使ってみようと思いました。 初心者としては3枚セットで手を出しやすい価格と枚数だったと思います。 実際に使ってみて蜂蜜のような独特な香りが少し気になりましたが、蜂蜜の香りが好きな方や環境のためにという信念のある方なら気にしないor我慢できる程度かと。(おにぎりを包みながら食べていたので食べ物に香りが移ったわけではなく、ラップに顔を近づけたせいだとは思いますが…) 初心者なので他のブランドとの性能面での比較はできませんが、柄のイラストはなんとなく可愛くて好きです。 噂でソイワックスのラップというものもあると聞いたのですが、蜜蝋の方が殺菌作用とかあるのかなとも思うので、とりあえずはこのまま使い続けてみようかと思います。
ジャイアントサイズ、大きすぎかと思いきやめちゃめちゃ重宝してます! 大は小を兼ねる。そして他のミツロウラップよりやや厚め? なんでも包めます。葉野菜を包む時、他にもお花屋さんで花束をもらう時役立ちました!
KoKeBee(コケビー)
ミツロウラップDIYキット
1,100円
※2022.03.16現在の価格です。
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