フランス発「コンポスト付き植木鉢」 生ごみを減らしながら植物がすくすく育つ

Photo by Les Transfarmers

フランス発のスタートアップがデザインしたコンポスト付き植木鉢。植木鉢につながったコンポスト側の入口から生ごみを入れるだけで、生ごみを減らしながら、植物のお手入れも簡単にしてくれるアイデア商品だ。

神本萌 |Moe Kamimoto

フリーランスライター

大学時代に南アジア文化を学んだことをきっかけに、環境や人権の問題に関心を持つ。それ以降、より自分と地球にやさしい暮らしを目指して勉強中。趣味は写真。

2022.03.11
SOCIETY
学び

イベントや商品の魅力を広げる エシカルインフルエンサーマーケティング

植木鉢とコンポストがつながったデザイン

コンポスト

Photo by Les Transfarmers

自宅でコンポストを使うとき、その置き場所に困る人は少なくないだろう。そんな方に紹介したいのが、植木鉢と一体化したコンポスト「Composting Flowerpot(コンポスティング・フラワーポット)」だ。

コンポストとは、家庭から出る生ごみを微生物の働きを活用して、発酵させ堆肥にすること。水分を多く含む生ごみは、燃えるごみとして処理すると大量の二酸化炭素を排出するため、生ごみを減らすことは二酸化炭素削減につながる。

この「コンポスティング・フラワーポット」は、フランスのスタートアップ企業、Les Transfarmers(トランスファーマーズ)がデザインしたもの。一見すると、一般的な植木鉢と変わらない見た目で、インテリアとして部屋に置いてもまったく違和感のないデザインが施されている。

コンポスト詳細

Photo by Les Transfarmers

2つの植木鉢がつながったような構造で、植木鉢部分で好きな植物を育てながら、コンポスト側には別売のミミズを放つ。コンポスト側には蓋がついているので、そこから日常生活で出る生ごみを入れるだけだ。

やがて、コンポストに入れた生ごみは分解されて堆肥となる。隣で育てている植物にも栄養が行き渡るため、植物に肥料を与える手間は不要。また生ごみは水分を多く含んでいるため、水やりの回数も少なくていい。ごみを減らすだけでなく、植物のお手入れも簡単にしてくれるのだ。

植木鉢から堆肥を取り出す場面

3ヶ月から6ヶ月に一度は、できあがった堆肥を取り出す必要がある。コンポストの下部には蓋つきの取り出し口があり、そこからできた堆肥を簡単に取り出せるので便利。もちろん他の植物に与えても構わない。

さらに、コンポスト側は使わずに植木鉢として使ったり、逆に植物は植えずにコンポストとして使ったりすることもOK。そのときの生活にあわせて、さまざまな使い方ができそうだ。

地元産にこだわったサステナブルなものづくり

コンポスト一体型の植木鉢レイアウト例

Photo by Les Transfarmers

同企業のコンセプトは、自然と調和して暮らすこと。自然のある暮らしを身近なものにしたいという願いを込めて、この植木鉢を開発したという。

生産過程における環境負荷にも配慮し、メイドインローカルにこだわっている。コルク以外はすべてフランス産の材料を使用。陶器の植木鉢は、1892年から続く窯元の陶芸家が手作業でつくりあげている。メイドインローカルへのこだわりは、古くから続く地場産業を守ることにもつながるだろう。

日本ならバッグ型コンポストも

コンポスティング・フラワーポットは残念ながら、日本から注文することはできない。もし日本でコンポストに興味を持っているなら、ベランダなどに置いて使えるトートバッグ型のコンポストはどうだろう。見た目にも可愛らしく、コンポスト初心者にも人気のアイテムだ。

コンポスティング・フラワーポットやトートバッグ型コンポストのように、環境に配慮しつつ生活を豊かにしてくれるアイデアも増えてきている。環境のために何をすべきかわからないというときは、自分が心地よく続けられる方法を探すことからはじめてみてはいかがだろうか。

※参考
Les Transfarmers
© 
Les Transfarmers 2020 • Crédits photo © Damien Poullenot / © Ananda Photo Factory / © Nathalie Leboullenger • Illustrations © Chloé Kast

※掲載している情報は、2022年3月11日時点のものです。

    Read More

    Latest Articles

    ELEMINIST Recommends