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ファッションブランドのH&Mが、スウェーデンで古着の取り扱いを開始した。H&Mブランド以外にも、AsosやNike、Zaraといった他ブランドの古着も販売。今後はドイツでも展開する予定だ。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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スウェーデン発のファッションブランドH&Mは、スウェーデン国内向けのECサイトに「pre-loved(プリ・ラブド=愛用された中古品の意味)」セクションを追加。古着の取り扱いを開始した。
同サイトで販売される古着には、H&Mグループが所有するブランド以外に、AsosやNike、Zaraといった他社ブランドも含まれる。取り扱いブランドや商品は順次増やす予定だと、H&Mの広報は伝えている。
さらに、スウェーデンの次はドイツで同様のサービスを開始し、他国でも展開する可能性があるという。
同ブランドではここ数年、再販を含むサーキュラーファッション型のビジネスモデルを重視してきた。サステナビリティマネージャーは、自身のLinkedInアカウントに「古着ファッションを新しい常識にしよう!」のメッセージを掲載している。
H&Mは、2019年にスウェーデンの中古品販売プラットフォーム「Sellpy(セルピー)」の過半数以上の株式を保有。同国を拠点としてオンラインサイトで中古品販売を展開し、海外進出の拡大を図ってきた。
また2021年9月には、中古品販売向けテクノロジー企業のReflauntと業務提携をスタート。「H&M Rewear」と呼ばれる独自の古着ファッションプラットフォームをカナダで立ち上げている。
アメリカ発のリセールECプラットフォーム「スレッドアップ(ThredUp)」の報告書によると、2021年に360億ドル(約4.2兆円)だった中古市場は、今後5年間で2倍の770億ドル(約8.9兆円)に達すると予測される。
さらに古着を転売した経験がないアメリカ人のうち、76%が転売に興味を示しており、古着販売を行う人口は1億1,880万人になると見込まれる。そのような状況からも、古着市場には大きく成長する可能性があると言えるだろう。
近年加速するアパレル業界のサステナビリティ推進は、環境や社会に配慮されたエシカル消費を求める顧客ニーズに即したものだ。「古着=ダサい」というファッション観は刷新され、古着やヴィンテージをおしゃれに着こなすのがクールな時代へシフトしているようだ。古着を楽しむ循環型ファッションがニューノーマルとなる日が着実に近づいている。
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