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イギリスで、自転車とウォーキングを推進する新たな団体「アクティブ・トラベル・イングランド」を発足した。大規模な予算を投じ、イギリス国民の自転車の利用とウォーキングを推進するべく、各自治体の資金援助などの管理を行っていく。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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近年、とくにヨーロッパにて交通分野の脱炭素化が盛り上がっている。2021年9月には、ドイツ・ベルリン市がおよそ3000kmにおよぶ自転車レーン構築のプランを発表。同年10月には、フランス・パリ市が自転車専用道路や駐輪場を増やすなど、サイクリストにやさしい街づくりの計画を発表した。
そして2022年1月、イギリス政府が自転車やウォーキングを推進する新たな団体「アクティブ・トラベル・イングランド(ATE)」の発足を発表。同団体は、2020年に定められた自転車とウォーキングに関する新しい国家基準を満たすプロジェクトの予算管理を行う。
ATEの設立は、政府が国会で自転車とウォーキングのために20億ポンド(約3000億円)もの資金を投じる公約を掲げたことを受けたものだ。
同団体は、地方自治体などが行う自転車やウォーキングに関するプロジェクトを検査する。そして基準を満たしてないものや、規定期間内に着手・終了していないものについては、資金の返還を求めることができる。
また計画の承認と検査だけでなく、自転車の利用やウォーキングを国民に適切に推進するために、地方自治体の職員の訓練も支援する。というのも、国が管理しているのは車道のみであり、歩道や自転車道の管理については各自治体に委ねられているからだ。
つまり、今回のプロジェクトを遂行するにあたって、負担がかかる地方自治体に適切な役職の募集とトレーニングを行うためのサポートを実施する。すでに30以上の地方自治体が交通省から資金提供を受け、自転車道と歩道スキームの構築に関する学習を行っている。
イギリス政府は自転車とウォーキングを推奨することで、環境負荷を減らすのはもちろん、国民の健康維持も期待している。グラスゴー大学の研究によると、自転車通勤を行っている人は、そうでない人と比較して、がんの発症リスクが45%、心臓病のリスクは46%、早く死亡するリスクは41%低い。
政府は今回のプロジェクトを、身体的・精神的健康を改善するべく社会保険制度に組み込むことを検討しているようだ。そのため、健康格差が顕著な地域や身体活動レベルが低い地域で、このプロジェクトの効果を検証していくという。
環境への影響はもちろん、自分の健康も維持できる方法として確立されれば、今後他国でも同様に自転車やウォーキングを推奨する動きが増えていきそうだ。
※参考
UK launches Active Travel England and new £5.5m investment announced for cycling and walking|Traffic Technology Today
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