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世界経済フォーラム(WEF)は2022年1月13日、国際社会の脅威を分析した「グローバルリスク報告書」2022を発表した。有識者が示した「今後10年で懸念されるグローバルリスク」の上位10項目の半数が、「気候変動」関連の内容となった。
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世界の有識者によって作成される、世界経済フォーラムの「グローバルリスク報告書」。2022年版で「今後10年でもっとも懸念されるグローバルリスク」として挙げられたのが、以下の10項目だ。
1位 気候変動への対応の失敗
2位 異常気象
3位 生物多様性の喪失
4位 社会的結束の浸食
5位 生活破綻(生活苦)
6位 感染症の広がり
7位 人為的な環境災害
8位 天然資源危機
9位 債務危機
10位 地経学的対立
上位10項目のうち半数にあたる5項目が、気候変動などの環境リスクに関わるものだ。しかも世界が抱えるリスクの1位となった「気候変動への対応の失敗」は、2位の「異常気象」や3位の「生物多様性の喪失」など、他の項目にも大きな影響を与える。
気候変動は私たちが直面している最大で長期的な脅威だ。今世界が早急に取り組まなければならない問題であることが、改めて指摘されたことになる。
また新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって生まれた経済格差で、「国際調和が難しくなる」と指摘する意見も4位にランクインしている。
同報告書では、新型コロナによるパンデミックの3年目を迎えるにあたって、短期(0~2年)・中期(2~5年)・長期(5~10年)のグローバルリスクについて以下のようにまとめており、ここにも気候変動などの環境関連の問題の項目が挙げられた。
新型コロナの回復状況やワクチン接種率が、国によって大きくことなることから、社会的な分裂が生じるリスクが指摘された。裕福な国は経済回復の軌道にのる一方で、足踏み状態の国もある。これにより人々のメンタルヘルスの悪化も懸念されている。
そのため、今後3年間の世界について、有識者たちの多くが「不確実で、予期しない出来事が複数起きる」「勝者と敗者がわかれる」などと、ネガティブな見通しを述べている。
2~5年の中期的に起こり得るグローバルリスクとして挙げられたのは、気候変動や異常気象。さらにそれらに付随した生物多様性の喪失、人為的な環境災害などが挙げられた。短期的リスクに比べて、気候や環境に関するリスクが大きくなっている形だ。
長期的なグローバルリスクとしてトップ項目になったのは、気候変動、異常気象、生物多様性の喪失、天然資源機器など。いずれも環境に関わるものばかりとなった。
今回の報告書で指摘されたように、短期的なリスクとしては新型コロナによる影響がメインとなるが、中期的・長期的なリスクには気候変動のリスクが大きなウェイトを占めることとなる。
パリ協定で合意された「世界の気温上昇を1.5℃に抑える」目標を達成するためにも、一日でも早い対応と、一人でも多くの人々の心がけが必要となる。そして、このような気候変動への対策を政府や企業任せにするのではなく、私たち一人ひとりが意識を持っていくことも大切だ。小さなことからでも、地球環境に配慮した行動をとっていくべきだろう。
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