Photo by photo by A Waste Epiphany
建設業界では毎年大量の建設廃棄物が発生する。オランダのブランド「ア・ウェイスト・エピファニー(A Waste Epiphany)」は、レンガやコンクリートの廃棄物をおしゃれな花瓶やプランターにアップサイクルしている。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
Photo by A Waste Epiphany
建物や道路の建設現場で問題となっているのが、大量に出るがれきなどの建設廃棄物だ。例えば、東京大学生産技術研究所によると、日本で出るコンクリートがれきは、約3500万t。リサイクル率は98%と高いが、そのうちの約9割は路盤材料として道路建設の際に舗装の下に埋められるだけだ。
そんな建設廃棄物に着目しアップサイクルを行っている事例を紹介しよう。オランダを拠点に活動するチリ出身のデザイナー、マカレナ・トレス・プーガが手がけるブランド「ア・ウェイスト・エピファニー(A Waste Epiphany)」だ。
同ブランドは、建設現場で出るレンガやコンクリートの廃材を、花瓶、プランター、ブックストッパー、小型テーブルなどにアップサイクルしている。
Photo by A Waste Epiphany
これらの建設廃棄物をアップサイクルする工程はシンプルだ。レンガは手作業で研磨し、コンクリートは粉砕する。色やサイズを分けたら、型に流し込み何層にも重ねていく。複数の種類のレンガを使用することで、ひとつひとつに色合いが異なるデザインが生まれるという。
できあがったアイテムは、レンガやコンクリートの無機質な素材でできているのに、どこか温かみのある風合いに仕上がっている。
Photo by A Waste Epiphany
コンクリートがれきのような廃棄物の活用方法として、道路舗装の下に埋めてしまうのは、ある意味で便利な手段かもしれない。しかし、これまではごみとして扱われていたコンクリートがれきに、作品としての新たな可能性をもたらす点で、同ブランドの取り組みは注目を集めている。
「Waste」は「廃棄物」、「Epiphany」は「本質」の意味であり、「ア・ウェイスト・エピファニー(A Waste Epiphany)」は、本質的により意味のあるリサイクル方法といえるのではないだろうか。
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