前輪を交換するだけ 手持ちの自転車を簡単に電動化できる「Teebike」

自転車を電動化する「Teebike」

Photo by Teebike

「Teebike」は、自転車の前輪のみを替えることで、簡単に電動化。電動自転車としてアップグレードできる商品だ。Teebikeの創業者は、自転車があちこちで廃棄されている現状を目にし、自転車を電動化するアイデアを考えたという。

染谷優衣

フリーランスライター

YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。

2022.01.06

前輪を交換して電動化 走行はアプリで操作

自転車を電動化する「Teebike」

Photo by Teebike

もし「電動自転車を買いたい」という理由で、手持ちの自転車を捨てようとしていたら、一度とどまってほしい。自転車を簡単に電動化できる方法がある。それが、フランスを拠点とする「Teebike」の前輪だ。

使い方は簡単。自転車の前輪をTeebikeの前輪に交換し、無料専用アプリ「Teebike」を使って、Bluetoothで接続するだけ。走るときはアプリで操作し、走行スピードもアプリで設定できる。

前輪の取り付けに必要な工具は付属されており、専門知識がない人でも10分もあれば取り付け可能とのこと。航続距離は、電動アシストのレベルや走行する道路状況などにより異なるが、最大80km。走行速度は、ヨーロッパの規則にあわせて、最大時速25kmに設定されている。バッテリーは携帯電話と同じように充電でき、約4時間でフルチャージできる。

自転車を電動化する「Teebike」

Photo by Teebike

Teebikeが生まれたきっかけは、同社の創業者が2019年に中国を旅行した際に見た巨大な「自転車墓地」。未使用の自転車も含め、大量の自転車が廃棄されていたという。まだ十分使える状態であるにも関わらず、捨てられる自転車がある状況を目の当たりにし、自転車を電動化する方法を考え始めたそうだ。

同社の前輪を購入できるのは、フランス、ベルギー、スイスの一部のみ。Teebikeの前輪は795ユーロ(約10万円)と決して安くはないが、使える自転車をごみとして廃棄せずに済むメリットがあるだろう。

コロナ禍で高まる電動自転車のニーズ

自転車を電動化する「Teebike」

Photo by Teebike

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大してから、自転車のニーズが高まっている。例えば、アメリカではロックダウンでスポーツジムが閉鎖され、公共交通機関が運行停止に追い込まれると、多くの人々が安全で健康的な移動手段として自転車の良さを再発見した。

なかでも電動自転車は、新たな移動手段として注目を浴びている。市場調査会社NPDグループによると、パンデミックの自転車ブームにより、アメリカでは2019年から2020年にかけて自転車の売上が65%増加。電気自転車については、その2倍以上となる145%の増加となった。

小まわりがきいて環境負荷の低い自転車は、今後さらに需要が高くなっていくとみられる。Teebikeのように、いまある自転車を電動化できるアイデアは、これからもますます重宝されることだろう。

※掲載している情報は、2022年1月6日時点のものです。

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