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これまでハリケーンによって多くの被害を受けてきた、大都市ニューヨーク。専門家は2050年までに海面が20~75cm上昇すると予測しており、水没の危機があるという。そこでニューヨーク市は、大規模な気候変動対策プロジェクトを進行している。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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アメリカでもっとも人口の多い都市、ニューヨーク市。アメリカの中心であるこの都市は、水没する可能性があることをご存知だろうか。
836kmにもおよぶ海岸線があり、専門家は2050年までに海面が20cmから75cm上昇するとみている。これにより、マンハッタン島は水没する可能性があるというのだ。
2012年にハリケーン・サンディがアメリカ東海岸に上陸した際は、大規模な高潮によって、大きな被害を受けた。地下鉄が浸水するなど、多くの公共交通機関が運行を停止する事態となった。また2021年のハリケーン・アイダとハリケーン・アンリでも、数十億ドルの損害が出たという。
そこでニューヨーク市は、200億ドル(約2兆3,000億円)をかけた大規模な気候変動対策プロジェクトを開始した。そのなかのひとつが、マンハッタンに住む住民を守る「East Side Coastal Resiliency Project」だ。マンハッタン南東部の4kmにわたって、公園、防波堤、土手、可動式水門を整備し、暴風雨から住民を守る。
「このプロジェクトは、今後数十年にわたり、ニューヨーカーを沿岸の嵐や海面上昇から守るものだ。さらにマンハッタンのイーストサイドの公共スペースへのアクセスも改善する」と、市長室クライメート・レジリエンス局長のジェイニー・バビシは述べている。
だがこのプロジェクトの工事で、およそ1,000本の木が伐採される計画だ。これに対し、反対派が裁判所に伐採の一時停止を求めるなど、抗議する住民もいる。整備された新しい場所に1,800本の木が植えられるというが、環境について懸念する声もあるようだ。
また別の住民たちは、このプロジェクトがイースト・リバー・パークを破壊するものだと主張。これよって、プロジェクトの建設が中止になっている場所もあり、あちこちで物議をかもしている。
だが、これまでにハリケーンなどで被害を受けてきたことからも、ニューヨークが気候変動に弱い大都市のひとつであることは変わりはない。プロジェクトの内容に賛否両論はあるものの、大規模な対策を実行していかなければならない危機的段階にあると、住民の多くが認識しているのではないだろうか。
※参照
New York hopes to avoid the worst of climate change with their resiliency plan
In N.Y., battling climate change means killing 1,000 trees|GreenWire
NYC’s partially halted anti-flood plan can move forward: appeals court | New Yoyk Post
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