Photo by Eva Joan
二人の女性が手がける「エヴァ・ジョアン」は、2021年6月にオープンした洋服のリメイク専門店だ。 "何が一番簡単な方法か"ではなく、 "何が一番エキサイティングな方法か"を大切に仕事をする二人。光るセンスで、着られなくなった洋服でも洗練されたデザインにする仕事が評判だ。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
Photo by Eva Joan
洗練されたお店が並ぶニューヨークのウェストビレッジに佇む「エヴァ・ジョアン」は、ビョルン・エヴァ・パークとエマ・ヴィルヌーヴの二人の女性が営む洋服のリメイク専門店だ。
2021年6月にオープンすると、多くの人から依頼が寄せられるようになったのは、一般的なリメイクとは異なり、着られなくなった洋服でも頻繁に着たくなるような工夫があるからだ。
穴が開いた部分をただ縫い合わせるのではなく、あえてカラフルな刺繍を施してワンポイントにしたり、白いブラウスにビジューを散りばめたり。古くなったり着られなくなったりした洋服に新たな命を吹き込む。そんなリメイクをしてくれるのが、この店だ。
二人はこれまでに、ウェディングドレスやバイカージャケット、代々受け継がれてきたハンガリーの織物などを新しい作品に変えてきた。なかには、元恋人のカーディガンを編み直したり、傷んだ部分に水玉模様を刺繍したり。洋服のリメイクというコンセプト自体はシンプルだが、独自のセンスで洋服を蘇らせてくれる。
そんな二人が依頼を受けるときに意識しているのは、その洋服の歴史をあえて見えるようにデザインすること。「一度も着ていないように見える服よりも、何度もお直しされて縫い目が見えている服や、おじいさんが使っていた革パッチの方が、ずっと刺激的」と、話している。
だから、「何が一番簡単な方法か?」を探すのではなく、「何が一番エキサイティングな方法か?」を常に考えるという。
ちなみに、持ち込まれた洋服のリメイクには、平均して約1週間かかり、価格は80ドル(約9,000円)からだ。
Photo by Eva Joan
リメイクという枠にはまらず、唯一無二の作品を一人ひとりにつくる。そのモチベーションは何なのか?
「私たちの究極の目標は、あらゆる方法で洋服を変身させられる場所をつくること。それは、既存の服を別の服に変えたり、アップリケやチェーンステッチ刺繍で破れや汚れを直したり、クリエイティブな作業を行うことです」と、ELEMINISTからの質問に対し、二人は答えてくれた。
「私たちの仕事はとてもパーソナルなもので、洋服の寿命を大切することが目的です。そして最終的には、みんなが自分の洋服に再び恋する可能性に気づいてもらいたいのです」
古い洋服を捨てるのではなく、新たな使い方を探す。彼女たちのように、そんなアイデアを考えてもいいのではないだろうか。
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