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米ニュージャージー州で2022年3月より、動物実験を用いて開発された化粧品の販売が禁止される。違反した場合、最高1,000ドル(約115,000円)の罰金が課せられる。アメリカでは動物実験による化粧品の販売を禁止する8番目の州となる。
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ニュージャージー州のフィル・マーフィー知事が2021年11月8日、動物実験を行った化粧品の販売を禁止する法案に署名した。アメリカで同様の法律が制定された8番目の州となる。施行は、2022年3月1日から。
この法律は、ウサギ、モルモット、マウス、ラットなどを使って安全性評価を行った化粧品の州内での販売を禁止。法律に違反した場合、一度の販売につき最高1,000ドル(約115,000円)の罰金が課せられる。
これまで、化粧品の安全性評価で動物が使われてきたが、毛を剃った皮膚に化学物質をこすりつけたり、目に薬品をたらして炎症の様子が観察されたり、動物に苦痛をもたらすことが指摘されてきた。
全米人道協会(Humane Society of the United States)は、「動物を使わない試験方法が生まれている現在、シャンプー、マスカラなどの化粧品の開発・製造のために、動物を傷つけることは倫理的に認められない」と述べている。
動物実験は非人道的であるという声が世界で高まるなか、ニュージャージー州議員がこの法案を提出。全会一致で通過した。
ちなみにアメリカで現在、同様の法律を制定している州は、カリフォルニア州、ネバダ州、イリノイ州、バージニア州、メリーランド州、メイン州、ハワイ州の7つだ。
世界でいち早く、動物実験を用いた化粧品の販売を禁止したのは、EUだ。EUでは2013年より、動物実験を行った化粧品の販売を全面禁止している。
だが、EUが2018年に発表した資料によると、化粧品の動物実験が行われているのは、世界のおよそ8割の国。動物実験に反対する世論の高まりを受けて、現在ではこの数が減少していると予測されるが、依然として動物実験禁止の法整備を行っている国はまだ限られるだろう。
しかし、動物実験を行わず代替方法で安全性を評価する化粧品が多く生まれており、動物実験に反対の姿勢を示す化粧品企業が増加している。今回のニュージャージー州の法律制定では、ラッシュ、The Herbs & Beesなどの化粧品販売企業も支持を表明していたという。
動物実験を求めない消費者の声が大きな後押しとなって、化粧品業界全体で動物を使わない試験方法へのシフトがますます加速しているのではないだろうか。
参考
New Jersey becomes latest state to end cosmetics animal testing|InsiderNJ
Testing cosmetics on animals: MEPs call for worldwide ban|European Parliament
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