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旅行予約サイトのエクスペディア・グループは、動物保護方針を変更。それに伴い、イルカやシャチなどのショーや、動物たちとの交流を伴うアトラクションのチケットは、同社ウェブサイトで購入できなくなった。新方針に従わない場合、運営側によって該当部分の掲載が削除される。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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アメリカの大手旅行予約サイトのエクスペディア・グループは、動物保護方針を変更した。これによって同社Webサイトでは、イルカやシャチなどの鯨類によるショーや、海洋動物との交流を伴うアトラクションに関して、チケットの予約・購入が利用できなくなった。
今後は、認定を受けた海辺の施設で、これらの海洋動物のショーや交流を行わないアトラクションに限り、チケット販売を行う。
現在エクスペディアのWebサイトに掲載中の施設に対しては、新しい動物保護方針に沿ってチケット販売するため、30日間の猶予期間が与えられる。動物保護方針に従わないチケット内容については、運営側で削除される。
今回の方針変更の立役者は、動物保護のNPOである世界動物保護協会(WAP)やPETA(People for the Ethical Treatment of Animals)だ。彼らは、動物保護の観点から、海洋動物のショーや人々との交流は残酷な行為であると主張。以前よりこの問題について精力的に運動を起こしていた。
先日も、WAPはシアトルのエクスペディア・グループ本社近くで抗議イベントを開催する予定だったが、その数時間前に今回の方針変更が発表された。
米国のWAPプログラム・ディレクターを務めるキャメロン・ハーシュは次のように述べている。
「この発表は、現在いるイルカやクジラを、エンターテイメントのために飼育される最後の世代にするために、重要な一歩となる。WAPでは、他の旅行会社が同じように行動を起こすことを期待している」。
エクスペディアのような旅行予約サイトを含め、これまでのWebサービスは商品点数をできるだけ多くすることが求められてきた。だが、その流れが少しずつ変わってきているようだ。
例えば、2019年には旅行予約サイトのヴァージン・ホリデーが、イルカやクジラのショーを行う業者との取引を中止した。
サービスを提供する側も、取り扱う商品にガイドラインを設けることで、環境や動物などに対する企業の姿勢を明確に示すようになってきている。
サステナブルな生活を実現するためには、旅行予約サイトなど、どんなWebサービスを利用するかということも、考える必要があるのではないだろうか。
参考
Expedia Group wildlife guidelines
Why Travel Giant Expedia Will No Longer Sell TicketsI To Seaworld|Veg News
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