Photo by Almaborealis
イギリスの子ども服ブランド「アルマボレアリス」から発売されている「パズルウェア」は、子どもが自分の洋服をDIYできる手芸キット。何度も縫い直しできるから、成長に合わせてリサイズも可能。服の寿命を延ばすサステナブルなファッションだ。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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イギリスのキッズ向けアパレルブランド「アルマボレアリス(Almaborealis)」の子ども服は、他社の製品とは一線を画す。
販売されているのは、スコットランド産の100%生分解性のラムウールの毛糸と編み針、簡単なマニュアルなどがセットになった手芸キットだ。「パズルウェア」と名前がつけられているように、子どもたちはパズルを組み合わせるようにして、自分で洋服をつくる仕組みになっている。
パズルウェアの対象年齢は4歳から12歳。子どもでも安全に服の制作ができるように、編み針は太い木製のものが用意されている。さらにキットに含まれるパネルの側面にはあらかじめ穴が開けられ、その穴に毛糸を通すように編んでいくだけと、子どもでもトライしやすい工夫が施されている。
また、基本的なステッチ4種を学べるカードと練習用の毛糸も同封されているため、裁縫の基礎を学べる。
同ブランド創業者のマイヤ・ニグレンによると、このブランドを立ち上げたきっかけは、8歳の娘が学校で一度も裁縫を行ったことがないと気づいたことだった。そして、ファストファッションの製造過程における持続可能性について調べ、ファストファッションが主流となっている現状に危機感を覚えたという。
「いまの世代やこれからの世代は、服をつくる技術やあらゆるものを失っている。例えば、素材の価値やつくり手の技術、そしてこれらのアイテムがどこから来たのか、理解していない」
ニグレンは、子ども向け劇場の衣装デザイナーとして働いていた経験があったことから、こどもたちの視覚を刺激し、新しい技術の習得にもつながるような服をつくりたいと考え、「パズルウェア」が生まれたそうだ。
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「パズルウェア」のいいところは、型紙を使わないため、服をつくる複雑な工程が少ないことだ。こどもたちはお手本を見ながら、まるでブロックタイプのおもちゃを組み立てていくように、想像力を働かせて服をつくることが可能だ。
それだけでなく、何度もやり直しがきくことも魅力だろう。もしデザインがうまくいかなかったり、成長してサイズが合わなくなったりしたら、ステッチを抜いてまた最初からつくり直すことができる。何度も縫い直せるというのは、服の寿命を延ばすことになるだろう。
残念ながら「パズルウェア」はイギリスのみの販売だが、もし子どもたちが幼いうちからDIYの楽しさを発見できれば、自らでモノをつくり、生活を築く大切さを学ぶことができるだろう。
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