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ドイツ・ベルリンの中心部で、自家用車の使用を禁止する活動が活発化。CO2の削減目標達成には、ドイツ国内の車の50%を電気自動車にかえる必要があるが、現在の電気自動車利用率はわずか1.3%だ。そこで目標達成のために、車禁止とする方法が持ち上がっている。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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ドイツのベルリン中心部で、車禁止運動が活発化している。これは「Berlin Autofrei」という市民グループが主体となった運動で、市民に自家用車の使用を禁止する内容だ。これまでに5万人以上の署名を集めており、国民投票に向けた請願書を提出する。
Berlin Autofreiによると、車の使用禁止によって、電気自動車を推進するより早くCO2削減目標を達成できるという。
この運動を指揮するニック・ケストナーは次のように述べている。
「ドイツ政府が定めた交通機関のCO2排出削減目標を達成するためには、2022年にはおよそ半数の車を電気自動車にしなければならない。しかし、現在の電気自動車使用率はわずか1.3%で、この目標は明らかに困難だ。そのため、車の種類をかえるのではなく、通行する車の量を減らすことが、目標達成に向けた唯一の方法だ」
さらにケストナーは、ベルリン市民の車の所有率の低さや車に対する考え方について指摘。車を所有している人はわずか3分の1と少なく、ドイツの環境省が最近行った調査で、91%の人が「車がないほうが幸せ」と回答しているという。
ベルリンで車を所有する人は少ないが、ベルリンの地方議会が発表した報告によると、市内の交通量の58%が、個人が所有する車によるものだ。さらに、それらを駐車するスペースとして、市内の17平方㎞もの土地が使われているという。
車の使用禁止が実現した場合、身体的な障害のため車の利用が必要である人や、緊急医療サービスの提供者などは、例外として車の使用が認められる。それ以外の一般市民は、年に12回のレンタカー利用が認められる。
ベルリンでは2020年8月から、市内の大通りの一つ、フリードリッヒ通りで、車の通行を禁止する実験を行っている。その結果、この通りの周辺地域における二酸化窒素量が3分の1に減少した。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防のため、人々が外出を控えたことが影響している可能性があり、実験は2021年10月まで延長して行われる。
これまでに世界の都市で、車を禁止する「カーフリーゾーン(自動車禁止区域)」や「カーフリーデー」が設けられてきた。もし今回の提案が通れば、ベルリンは世界最大のカーフリーゾーンとなるだろう。
前述した実験結果や市民の支持率から見ても、実現の可能性はありそうだ。市民にどのようなルールができ、どのような代替手段が整えられるのか、今後も注目していきたい。
※参考
A private car ban could be coming to Berlin|INHABITAT
https://inhabitat.com/a-private-car-ban-could-be-coming-to-berlin/
Car-free zone has success|green-zones.eu
https://www.green-zones.eu/en/blog-news/car-free-zone-has-success
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