観客の熱気をエネルギーに変換 スコットランドのライブ会場で導入

観客の熱気をエネルギーに変換

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ライブ会場で盛り上がる人の熱をエネルギーに変える、画期的なシステムが発表された。スコットランドのイベント会場SWG3による「ボディーヒート」だ。観客の熱量を利用して、冷暖房などの電気に使用できる。

染谷優衣

フリーランスライター

YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。

2021.09.16

人の熱気を電力エネルギーに変換 ライブ会場の空調に利用

カラフルな照明が光る音楽ライブの様子

Photo by Nick Kane on Unsplash

スコットランドにあるイベント会場「SWG3」は2021年夏、会場で盛り上がる観客の熱をエネルギーに変える最先端システム「ボディーヒート」を発表した。

SWG3によると、人は体から約100ワットの余剰エネルギーを大気中に放出している。「ボディーヒート」は、ヒートポンプと液体を用いて、会場の観客から発生する膨大な量の熱を回収。そのエネルギーを、会場の地下に掘られた深さ約150mのボアホール(地面などに垂直に開けられた穴)12個に集める。

集められた熱は、すぐに会場の冷房に使うか、もしくは暖房が必要になるまで地中に蓄えられる。結果的に会場で消費する電力を抑えられ、二酸化炭素の排出減につながるという。

この取り組みは、SWG3によるカーボンニュートラルな会場を目指す「ゴーイングネットゼロ」の一環。導入は2021年以降に開始され、2021年11月1日から12日までスコットランドのグラスゴーで開催される国連気候変動会議までには終えたい予定だ。

環境対策に課題を抱える音楽業界

音楽業界では、これまでもライブイベントなどによる環境負荷が度々問題視されてきた。

例えば、イギリスのロックバンド、コールドプレイは2019年、環境への懸念を理由にライブツアーをキャンセル。メインヴォーカルのクリス・マーティンは、ツアーの環境負荷が高い理由として、スタッフ大人数による長距離移動、演出による電力消費、二酸化炭素排出などをあげていた。

だが「ボディーヒート」のようなシステムを使えるなら、少なくとも演出による電力削減に貢献できるだろう。お気に入りのアーティストを、熱量を持って応援すればするほど、環境にも良くなるだなんて、なんとも夢のような話だ。

今回はまだ小さなライブハウスでの実施ではあるが、人数が集まれば集まるほど力が発揮されるはず。今後の音楽業界のトレンドになり得るか、期待したいところだ。

※参考
ANNOUNCING A RADICAL NEW PLAN TO HEAT AND COOL THE BUILDING USING OUR AUDIENCE'S BODY HEAT|SWG3
https://swg3.tv/news/2020/december/swg3-radical-plans-to-use-clubbers-body-heat?utm_source=DesignTAXI&utm_medium=DesignTAXI&utm_term=DesignTAXI&utm_content=DesignTAXI&utm_campaign=DesignTAXI
Coldplay to pause touring until concerts are 'environmentally beneficial'|BBC
https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-50490700

※掲載している情報は、2021年9月16日時点のものです。

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