Photo by SDGs推進士業協会
2019年より始まった「SDGs検定」。SDGsの基本から応用まで幅広い知識が求められ、合格率はまだまだ低い。SDGsに関心を抱く人にとっては、ぜひ一度挑戦してみたい資格と言えるだろう。試験概要や出題内容、難易度、勉強法などを、わかりやすく解説する。
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SDGs検定とは、SDGsの更なる普及推進のために行われている資格試験。SDGsは、2015年9月に行われた国連サミットで採択された国際目標だ。2016年から2030年までの間に達成されるべき、17の目標、169のターゲット、232の指標から構成されている。
SDGs検定を主催しているのは、一般社団法人SDGs推進士業協会だ。弁護士や公認会計士、司法書士など、国家資格者である士業からなる団体で、それぞれの分野の知識を活かした取り組みを行っている。
SDGs検定が初めて実施されたのは、2019年10月のこと。回数を重ねるごとに、その注目度が増している。
SDGs検定に合格すると、合格証が発行される。また、合格者はSDGs検定のロゴマークの使用が許可される。ロゴの使用によって、SDGsについて関心を持ち、確かな知識を有していることを、内外にアピールできるだろう。
SDGs検定の詳細は以下のとおりである。受験を検討している方は、ぜひ参考にしてみてほしい。
SDGs検定で求められるのは、「SDGsについての知識と、それを理解したうえでの応用力」である。
・SDGsとは
・SDGs採択までの歴史や現在の動向
・SDGsの内容(17のゴールや169のターゲットなどに関する事項)
・世界の課題を知る
・環境問題のみならず、世界の貧困・飢餓・福祉などの課題をSDGsの17のゴールと関連させて出題
・誰がSDGsに取り組むのか
・SDGsのゴールを誰がどのように取り組んでいくのかについて、SDGsの基本的理解をしたうえで、応用力を試す出題
表面的な知識だけを単純に暗記すればいいというわけではなく、SDGsに対するより深い理解と応用力が求められる点が、特徴と言えるだろう。
開催時期:2~3ヶ月に一度
試験時間:90分間
出題方式:選択式
受験資格:学歴・年齢・性別・国籍による制限は一切なし
試験会場:WEB上(※2020年の試験より、新型コロナウイルス感染症の影響により変更)
受験費用:5,500円(税込)
合格水準:正答率70%
合否発表:後日登録メールへ配信
2019年までは、東京や大阪など、大都市圏にて集合方式で試験が行われていた。2020年に変更となり、以降オンライン方式を採用。全国どこからでも受験できるようになっている。
試験を受けるうえで、気になるのが難易度や合格率に関するデータである。SDGs推進士業協会が公表している数値をチェックしてみよう。
2021年6月に実施されたSDGs検定を受験した人の人数は、798名。そのうち、合格したのは195名(合格率26%)であった。平均点は、100点満点中59点である。
SDGs検定に挑戦する人の属性は、非常に幅広い。受験した人のなかで最年少は中学生、最年長は70歳を超える。
また、受験者の職業についても、「会社員」がもっとも多いものの、経営者や自営業者、士業に学生と、バリエーションに富んでいる。合格者の割合は決して多くはないが、あらゆる立場の人が挑戦し、結果を得ていると考えられる。
会社員 | 211名 |
---|---|
学生 | 35名 |
経営者・役員 | 28名 |
自営業・個人事業主・フリーランス | 13名 |
公務員 | 8名 |
教員 | 4名 |
団体職員 | 3名 |
士業 | 1名 |
その他(無回答) | 495名 |
SDGs検定の公式サイトでおすすめの参考書が挙げられている。この参考書を使って勉強するほか、国連などが発表しているデータを読むことが推奨されている。
おすすめの参考書として紹介されているのはこちら。
『SDGs(持続可能な開発目標)』(蟹江宣史 中公新書 出版)
ただし、この書籍の情報からすべてが出題されるわけではない。SDGsに関するさまざまな書籍などを参考として読むことも、試験対策のひとつになるだろう。
SDGs検定の過去問などは、書籍などで販売されていない。受験者は、過去問に頼らず、自分なりの方法で学習を積み重ねていく必要があるだろう。
さらに世界の状況は刻一刻と変化していくもの。変化に対応し、受け入れていくこともSDGs達成のために重要なポイントであるためだ。SDGsに関連する最新ニュースや、最新情報についてもチェックしておこう。
SDGs についての知識や理解を深めるために、おすすめの書籍を紹介しよう。
ミシュラン、グッチ、アディダス、アップルなど、各業界を牽引する最先端企業による「SDGs実践の方法」「サーキュラー・エコノミーの取り組み」を紹介する一冊。SDGsをどのように取り入れているか、実例を多く知ることができる。
世界201カ国の国と地域の人々から集めた夢を掲載。私たちがどんな未来を夢見て、どう生きるかをSDGsの視点で考えられる。
SDGsの注目度が増しているいま、SDGs検定についても、興味を抱く人が増えてきている。とはいえ、検定で出される問題には複雑なものも多く、「なんとなく」で合格できるレベルではない。合格水準である7割以上の正解を達成するためには、入念な準備が求められるだろう。
SDGsに関する知識や応用力を身に付けるためには、「いま世界で何が起きているのか?」に注目し、理解する必要がある。ELEMINSTが発信する情報も、適宜参考にしてみてはどうだろうか。
※ SDGs検定
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