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家具メーカーのイケアが、風力や太陽光を利用した再生可能エネルギーの販売を開始する。利用はサブスクリプション制で、アプリで電気使用量を確認できるシステムだ。イケアでは2019年よりソーラーパネルの販売を開始しており、2030年までに「クライメートポジティブ」の実現を目指している。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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世界的な家具メーカーのイケアが、一般家庭に向けて再生可能エネルギーの提供を開始する。まずはイケア発祥の地であるスウェーデンで、スタートする。
同社はスウェーデンの再生可能エネルギー会社、スベア・ソーラーと協力し、2019年から11の国・地域で家庭用ソーラーパネルを販売している。そして2021年、イケアはスベア・ソーラーから電力供給を受け、風力や太陽光を利用した再生可能エネルギーを一般家庭に届けることとなった。
この再生エネルギーの利用は、同時に発表されたサブスクリプションサービス「Stromma」を通じて販売。同サービスの契約者は、毎月の固定月額料にプラスして変動分を支払うシステムだ。
さらに、同時リリースされたアプリを使うと、利用者は電力使用量を確認できる。イケアの太陽光パネルを設置している家庭では、自家発電量を確認できるうえ、使用しなかった余剰電力はイケアに買い取ってもらえる。
同社では、イケアの親会社、Ingka Groupのマーケットで、2025年までに再生可能エネルギーを使用・発電できるようにしたい考えだ。
さらに、2030年までに「クライメット・ポジティブ」の実現を目標として設定。10億人以上が、持続可能でよりいい生活を送れるようになることを目指している。
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イケア・スウェーデンのサステナビリティ責任者・Jonas Carlehedによると、イケア全体の温室効果ガス排出量の約20%は、電化製品、照明、電子機器の使用によるものだ。そのため、今回の再生エネルギーの提供によって、間接的に同社の温室効果ガス削減目標の達成に貢献できるという。
これまで、イケアの主な役割は商品の提供だったが、商品を購入した後の使用段階でも、サステナブルな提案が可能になるということだ。環境を考慮した商品づくりを行うことはもちろん、環境にやさしい使用方法をあわせて提案できることで、トータルでサステナブルな生活をプロデュースできるようになるだろう。
今後イケアのように、サステナビリティの目標達成に向けて、従来のビジネス領域を超えた分野に進出する動きが出てくるかもしれない。
参照リンク
※ Sweden first IKEA market to start offering electricity from wind and solar through STRÖMMA service | INGKA
https://www.ingka.com/news/sweden-first-ikea-market-to-start-offering-electricity-from-wind-and-solar-through-stromma-service/
※ Svea Solar Partnership With Ikea | Svea
https://sveasolar.com/blog/svea-solar-partnership-with-ikea/
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