ピッツバーグ国際空港は、太陽光発電と天然ガスを利用したすべての電力負荷を分散型電源から供給するマイクログリッドを導入。スマートな電力インフラを構築することで、サステナブルな運営をする業界のロールモデルを目指す。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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アメリカ・ペンシルバニア州のピッツバーグ国際空港は、太陽光発電と天然ガスを利用したすべての電力負荷を、分散型電源から供給する「マイクログリッド」を導入する世界初の空港となった。
停電によって数千便の欠航や乗客の混乱が発生したことから、全米の空港では電力の回復力と信頼性を高める方法を模索。新しいターミナルビルの建設に着手し、スマートな電力インフラを構築することで、サステナブルな運営をする業界のロールモデルを目指す。
発電された電力は、ターミナルや飛行場、ホテル、ガソリンスタンドなど、空港全体に供給される。緊急時やバックアップのためのオプションとして、従来の電力網との接続は維持するという。マイクログリッドは、敷地内の天然ガス井戸と8エーカーの敷地内に設置された9,360枚のソーラーパネルで発電を行う。
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マイクログリッドは、電力の回復力と冗長性を高めるだけでなく、空港とテナントの電気料金の節約も実現するシステムだ。2019年、空港があるアレゲニーの空港局理事会は、ピープルズ・ナチュラル・ガス社に、マイクログリッドの構築と、その後の運用を20年間依頼する契約を発注。昨年のパンデミックで航空業界が停滞しているなか、予定通りプロジェクトを完了させた。
ピッツバーグ国際空港CEOであるクリスティーナ・カソティスは次のように述べる。「これは私たちのチームが持つ革新的文化の賜物であり、このプロジェクトが業界全体の常識となることを願っています」
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大型発電所で発電する通常の電力システムでは、長距離送電に伴う電力損失が避けられない。東京電力事業レポートによると、国内の送電ロス量は国内電力消費9,850億kwhの約3.4%。これは火力発電所7基分もの電力に匹敵するという。
その点、マイクログリッドは長距離送電がない電力の地産地消を目指すため、送電ロスによる電力の無駄が大幅に削減できる。さらに発電方法についても環境に負荷が少ないかたちをとっている点で、これからの電力供給の形としてさらに注目されるだろう。
しかし課題もまだ残る。もっとも大きな問題は、供給の不安定さだ。事実、ピッツバーグ国際空港も保険として従来の電力網への接続は維持している。安定供給の課題をいかに解決できるかが、今後マイクログリッドが普及するためのポイントとなるだろう。
参照サイト/Allegheny County Airport Authority
https://flypittsburgh.com/acaa-corporate/newsroom/news-releases/pittsburgh-international-airport-goes-live-with-first-of-its-kind-microgrid-powering-entire-facility-with-natural-gas-and-solar-energy/
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