"最後に買う歯ブラシ"をテーマに開発された歯ブラシ「doop」。5年間同製品を使うことで、約45%の水利用の削減、約39%の電力利用の削減、約60%の廃棄物の削減につながる。使い捨てのヘッド部分にあえてプラスチック素材を選んだ理由とは?
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
従来の使い捨てを想定した商品製造は、多くの場合安価なことが重視された。しかしこれらのお金儲けのためのスキームは、明らかに地球に悪影響を与えている。だからこそいま、一部ブランドがそのやり方を変えようとしている。
例えば、「doop」は"最後に買う歯ブラシ"をテーマに開発。歯の専門家たちによると、歯ブラシの毛がいずれ磨耗することを認めており、だからこそ3カ月ごとに交換する必要があるという。「doop」は交換部分をヘッドのみにすることで、資源をより有効的に使える。
5年間同製品を使うことで、約45%の水利用の削減、約39%の電力利用の削減、約60%の廃棄物の削減につながる。
また、デュポン社のタイネックス612ナイロンフィラメントを使用したブラシは、リサイクルされたプラスチックでできており、FDA(米国食品医薬品局)の認可を受けている。もちろん、たくさんつかったあとは再度リサイクルすることができる。
パッケージは、再封可能なジッパーとなっており、持ち運び用ケースにもなる。ハンドル、ヘッド、パッケージは、食洗機で徹底的に洗浄することもできるため、長期間利用するのも安心だ。
同社では、この歯ブラシを単体のキットとして販売しているほか、大家族向けのファミリーパックも購入可能だ。
これまで、従来の歯ブラシよりサステナブルな代替として、竹などの自然由来の素材を使ったものが多く見られた。そこをあえて「doop」はプラスチックを素材に選んでいる。繰り返し長年使っていくうえで耐久性や携帯性を重視したのが理由だ。
その代わりにリサイクル可能なプラ素材を使い、サステナブルな廃棄方法のサポートも行っている。
近年のビニール袋廃止やストロー廃止などの動きをみると、「プラスチック=悪」な印象を受けやすいが、つくり手が持つべき意識は理由を持って素材を選び、資源が循環して利用される状態をつくること。サステナブルな事業展開の仕方のひとつとして参考にしたい。
参照リンク/doop
https://www.dooptoothbrush.com/
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