デンマークの建築スタジオ「Henning Larsen」は、自国初の「北欧エコラベル」を取得した小学校「The New School」の建設に着手。「北欧エコラベル」とは地域の公式な持続可能性証明書で、学校を超えたつながりを意識させる。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
デンマークの建築スタジオ「Henning Larsen」は、自国初の「北欧エコラベル」を取得した小学校「The New School」の建設に着手した。
「北欧エコラベル」とは地域の公式な持続可能性証明書で、プロジェクトのエネルギー消費量、室内環境、化学物質や持続可能な材料使用などが考慮されている。
昨年初めて公開された二階建ての学校のデザインは、周囲の景観に溶け込むようなハの字型の構造になっていた。屋根は地面に接して地形に溶け込み、誰でも歩行可能。学校の内部空間は、必要に応じて再編成ができる。
「Henning Larsen」のパートナーであるEva Ravnborg氏は、こうコメントする。「私たちは、学習とランドスケープの間で機能する学校を設計しました。建物の中で行われる学習だけではなく、学校への通学路や学校と地域社会とのつながりも大切にしています」
「New School」は2022年夏の終わりに開校する予定。100名の従業員と16歳までの学生580名を収容することができる。
これまでもデンマークは持続可能な社会づくりの先頭を走ってきた。例えば昨年、ヨーロッパで再生可能エネルギー量が初めて化石燃料の割合を上回ったが、そのなかでもデンマークの結果は著しい。ヨーロッパ全体の再生可能エネルギーの割合が37%のなか、デンマークでは全体の62%も占めていた。
グルドボルスンド市の子供・家族・教育委員会の委員長であるSimon Hansen氏は、こうコメントする。「私たちはデンマークの学校建設の歴史をつくっています。持続可能な建設に投資するという意識的で政治的な選択をした結果、北欧エコラベルという最高品質の証明を手にすることができました」。
サステナブルな社会をつくる先駆けとして、デンマークの動きは今後も目が離せない。
参照サイト/We’ve Broken Ground on Denmark’s first Nordic Swan Ecolabel Primary School
https://henninglarsen.com/en/news/archive/2021/05/11-we-ve-broken-ground-on-denmark-s-first-nordic-swan-ecolabel-primary-school/
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