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海面上昇の影響で枯れた樹木から温室効果ガスが排出されていると判明。研究対象となったのは、米・ノースカロライナ州にある「ゴーストフォレスト」と呼ばれる湿地帯。研究によると、湿地から発生する二酸化炭素やメタンガス、亜酸化窒素は枯れ木から発生しているというのだ。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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先日発表された研究によると、海面上昇の影響で枯れた樹木から温室効果ガスが排出されていると判明した。これまで見落とされていた温室効果ガスの排出源かもしれないというのだ。
研究対象となったのは、米・ノースカロライナ州アルバマール・パムリコ地方にある「ゴーストフォレスト」と呼ばれる湿地帯。もともと森林であったが、気候変動による海面上昇やストーム発生、洪水によって土壌に塩水が浸水。樹木が枯れ果ててしまった土地だ。残った枯れ木が、まるで幽霊のような不気味な灰色をしていることから、その名で呼ばれるようになった。
現在出回っている樹木に関する研究のほとんどは、生きた木に関するものばかりだ。研究者のMelinda Martinezさんとチームメンバーたちは、生きた木々のみならず枯れ木もガスを大気中に放出しているのではないかと考え、ゴーストフォレストの樹木を調査したというのだ。
実際の排出量を調べるため、Martinezさんたちは枯れ木の周りを囲って空気中のガス濃度を計測。すると湿地の土壌は自然に二酸化炭素やメタンガス、亜酸化窒素を発生するが、それらはゴーストフォレストの枯れ木を通して放出されていたことが判明した。
排出されていた量を考慮すると、アルバマール・パムリコ地方全体の温室効果ガス量が約25%増える可能性が判明した。
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これまで、温暖化による気温上昇によって樹木の光合成能力が低下することや(※)、樹木からメタンガスが放出されていることなど、生きた樹木が環境に及ぼす影響についていくつかの研究があった。今回新たな排出源として、枯れたあとにも影響があると判明したのはショッキングである。
Martinezさんによると、ゴーストフォレストから排出される二酸化炭素量というのは樹木の種類や地方によって変わるとされている。しかし今後さらに海面が上昇することを考えると、世界中の森林のゴースト化は進み二酸化炭素が増える可能性は非常に高い。
※ How close are we to the temperature tipping point of the terrestrial biosphere?|Science Advances
https://advances.sciencemag.org/content/7/3/eaay1052
参照サイト/Drivers of greenhouse gas emissions from standing dead trees in ghost forests
https://link.springer.com/article/10.1007/s10533-021-00797-5?shared-article-renderer
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